山本草太選手が現在不調に苦しんでます。
2016年以降、何度も足首の骨折があって、過酷なリハビリでリンクに戻って来ていたのですが。

「アスリートとしてやっていけるのか」とまで悩む現在の心境と、支えてくれた先輩・日野龍樹選手への感謝を語っています。
国体に出場した、ショート時とフリーの記事2本ご紹介します。



もうひとり、日野龍樹選手のインタビューもご紹介しますニコニコ
日野選手は今季限りの引退を表明。
国体後のインタビューで、引退の理由、思い出の試合、フィギュアスケートについて、4回転ジャンプを跳んだ感動、今後の人生などを語ってくれています。






愛知の山本草太(21)が43・38点を記録し、よもやの18位発進となった。

取材エリアに姿を見せた山本の表情は険しかった。

「練習不足だったり、自分の気持ちの不安がすごく大きくて、試合する前もネガティブな気持ちで。体も気持ちもなかなかうまく動かなかったので、これだけ試合中に『途中でやめたい』と思ったのは初めてで…。途中からあきらめじゃないですけれど『こんな力だろうな』っていうのは、感じながら滑っていました」

地元開催の国体で、SPは最終滑走。冒頭は4回転ジャンプに挑戦する予定だったが「自分から瞬時に構成を下げた。なかなかない」と3回転フリップを選択。だが、空中で回転はほどけて2回転となり、得点は認められなかった。続くトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も1回転半となり、ジャンプ2つで0点。最後のジャンプとなった3回転ルッツでも転倒し、スピンも3つのうち2つで得点が認められなかった。

「たぶん(昨年11月の)NHK杯ぐらいから周りとの差を少しずつ感じ始めて、全日本(選手権、同12月)まではポジティブな気持ちを持っていたんですけれど、(全日本が)終わってしまったことで正直になって。地に足をつけて『こういったレベルまで落ちたんだな』と感じて…。今日も『頑張ろう』という気持ちが出なくて。『アスリートとしてやっていけるのかな』というのを、正直なところ感じています」

15-16年シーズンには全日本ジュニア選手権、ユース五輪で優勝。度重なる骨折などに苦しみながらも、過酷なリハビリを経て、リンクに戻ってきた。グランプリ(GP)シリーズのNHK杯などで、世界のトップ選手相手に戦ってきた山本だが、現在は難しい心理状態にあるという。

29日にはフリーが行われるが「『頑張らないといけない』というのは、アスリートとして当たり前。ただ、すぐにその気持ちにはなれなくて…」と正直に明かす。それでも胸中には、対照的な1つの思いがある。

今大会、愛知代表としてコンビを組むのは日野龍樹(25)。中京大の先輩は、今季限りでの現役引退を表明している。山本は言う。

「僕が中学1年生の頃に(関西から)名古屋に拠点を移したときから、先輩として関わってくださって。僕がケガをして、大変な時期にも、ごはんにも誘っていただいて、本当にお世話になった先輩。先輩との試合は最後になるかもしれないので、そこはしっかりと感じながら。明日のフリーを楽しんで、足を引っ張らないように、諦めずにできたらなと思います」

自らに言い聞かせるように、フリーの4分間を見据えた。【松本航】







【フィギュアスケート冬季国体第3日 ( 2021年1月29日    愛知・日本ガイシアリーナ )】 成年男子のフリーが行われ、ショートプログラム(SP)18位と出遅れた愛知県代表の山本草太(中京大)は127・10点をマーク。冒頭の4回転サルコーで転倒したが、今できる最大限の演技を見せた。演目を昨季の「イン・ディス・シャツ」に変更。「曲を感じながら滑ることができた。今の自分に合っていた」と振り返り、合計170・48点で地元の国体を終えた。

 SPの演技後は多くの人の励ましのメッセージをくれた。「今日はたくさんの応援を感じて滑れた」と語る。ともに愛知代表として戦う日野龍樹は前夜の夜食の買い出しに付き添い、ずっと近くで話しかけてくれた。「先輩がいなければ、たぶん昨日も1人で落ち込んでいた」と感謝を込め「いつもは自分1人ですけどたくさんのパワーを感じ取った」と振り返った。

 今季の主要大会を終え、「少し体と心を休める」と語る。「リフレッシュして、来シーズンに向けていろんな作戦を練ってスタートしたい」と出直しを期した。







日野龍樹“全国的引退”3位 山本に感謝/一問一答

日刊スポーツ2021年01月29日20時20分


<フィギュアスケート:冬季国体>◇第3日◇29日◇名古屋市ガイシアリーナ◇成年男子フリー

今季限りでの現役引退を決めている日野龍樹(25=愛知)が全国大会規模での引退試合を終えた。ショートプログラム(SP)6位からフリーは124・52点、合計185・70点の3位とし、表彰台に上がった。3月の愛知県大会を残しているが、「全国的な引退」と本人が期した演技。冒頭には果敢に4回転トーループにも挑んだ。転倒はあったが、映画「トルーマンショー」の曲の調べに、静かに、優雅に踊りきった。

演技前には同じ愛知県代表で後輩の山本草太などとタッチをしてリンクへ。演技後には見守った多くの選手からねぎらいの拍手が送られた。

以下は演技後の一問一答

−演技を終えて

日野 1つずつの動きとか、けっこう気を付けながらいいプログラムを滑ろうと思ってやったので、終わった時はすごく達成感みたいなものはありました。慣れているリンクですし、何回も滑っているので、特別国体という感じはなく、平常心だったかもしれません。

年々、こう、試合に出ることで、恥をかくのが怖くなってくる。引退を決めた理由もそれが入ってますし、本当に何もできないんじゃないかなという気持ちで、いつも試合に臨むんです。6分間の最初とか、回転も全然しないし、ちょっと例に出して申し訳ないですけど、昨日の草太みたいな演技を見ても、全然僕もあんな感じになる可能性があると。練習ではもっと僕もひどい。ループは降りようねと(本田)ルーカスと話し合っていたので、なんとか降りられただけでもよかったという感じでした。

−全国的には最後の演技

日野 いつかは終わりがくるものですし、でも、その瞬間てどんな感じか体験しないとわからない。こっち側(メイン)におじぎした時に、選手たちが立ち上がって拍手してたり、こういう感じなんだなと。これってこの一瞬しか味わえない。次の選手がいるので、早く滑らせてあげたいという気持ちと、ごめんちょっとだけ味わわせてという、ちょうど間の気持ちでした。

−思い出の試合は

日野 みなさんと同じというか、1番認識しやすいのは同期で出られたNHK杯ですし。僕にとっては大学2年で出たインカレとこの間の全日本。インカレはちょうど4年生の先輩が男子も女子もいて。団体で男女ともに優勝して華を持たせようという1年だったので。個人でも国際試合とかで頑張ってましたが、本当にその1年はそれだけ考えてみんなで頑張っていたので、あれを超えられる試合はなかったです。

−仲間の存在とは

日野 僕は何度も助けられたので、逆につらい友達がいたら手を差し伸べますし、つらいときに一緒にいてくれた人を友達というと思うので、そういう意味では一生もの友達がたくさんできた。ある意味このスポーツの1番の長所かなと思う。

−山本草太の存在は

日野 彼はいまちょっと疲れているので、一緒にでてくれてありがとね、というくらい。落ち着きたいなと思っている時期。全日本まであんなに走り続けてきたので。体調とかけがではないが、精神的に疲れ切っているので、たくさん話聞いたり、したり。どうにか今日みたいな演技をしてくれる、彼の実力でいえばもっとできますけど、そうですね、絶対にまたいい演技ができるスケーターですし、人間としても礼儀もしっかりしてますし、これからも会いたいなと思います。

−フィギュアスケートとはどういったものか

日野 やっぱり中学高校の途中まではひたすら練習を続けるべきだと思う。スポーツと言いつつ、表現の要素が入ってくるので、そこを技術というよりスケートだけではなく、豊かな人間じゃないと出せない雰囲気があるので、その転換期とかに悩むと思いますし、小さい時からジャンプを跳べている子は、大人になってもその跳び方では難しくなる。たくさん悩むスポーツだと思う。あまり人に勧めることは簡単にはできない(笑い)。学校を休まないといけないときもありますし、人としても教養とか大事なはずですけど、スケートの成長を考えると学校休まないと。バランスが難しかったな。よくわからないスポーツのままです。

−得たものは

日野 試合では降りられなかったんですけど、4回転ジャンプを降りることができて、幸せだなと。あの感覚は、うん、どのスポーツでも、ない感覚なので。引退までにもう1回跳べればというくらい気持ちがいいものです。トリプルアクセルを降りた時にまず、1回雲の上に行く感じというか、味わった後に、4回転となると、テレビで見たジャンプを自分がやっているので、最初にみたテレビで見た中に自分が入っていけるような。自分という姿を上から見ているような。そのくらいふわっと浮いているその時ほど簡単でした。

−これからどんな人生を

日野 どんな人間か知りたいという理由でフィギュアから離れるんですけど、スケートでいろいろ犠牲にと(インタビュアーが)おっしゃってたんですけど、やってる側からすると、追っているより緩いスポーツでもある。そんなに大したことしていない。社会に出たら間違いなく打ちのめされると思う。大学をきちっとやりたい、専攻して勉強した子に比べると、社会ではストレスとか感じると。礼儀もそんなに厳しくないスポーツですし、怒られたときに先輩や友達に笑い話として提供して、どうにか乗り越えていこうと思います

−3月の大会は

日野 今回のエレメンツは置いておいて、演技的な部分は満足している。もうちょっとジャンプを決まったらいいですけど。プログラムは考え中です。過去の栄光にすがる可能性もありますね。





      ⭐⭐⭐⭐⭐⭐


お二人のインタビューには、スケーターの内面の思いが率直に表れていて、興味深く読みました。

不安、焦り、怖さ、モチベーションの維持。

フィギュアスケートはとても精神面に左右されるスポーツだと思います。

コーチや振り付け師、家族など多くの人の支えがないと出来ないスポーツでありながら、リンクの中ではたったひとりで闘わないといけない。

羽生くんですら、ひとりで練習する中でトリプルアクセルすら跳べなくなった時期があり、スケートを辞めようと一瞬考えたと言ってました。


でも、草太くんはケガ明けで試合のジャンプを全てシングルジャンプしか跳べなかった時もありました。

3回転ジャンプも跳べるようになって戻って来たときの観客の「お帰りなさい!」っていう温かい拍手に包まれた会場の雰囲気、忘れられませんおねがい


羽生くんは、「失敗からの学び」をとても大切にしています。

ファイナル3連覇の時、自分の演技を見た子供へのコメントを求められたインタビューでは、「私も小さいころ、プルシェンコらを見ていた。どうかスケートを、練習を、夢をあきらめないで」などとアドバイスしました。

草太くんにも、少しリフレッシュしたら、また来季頑張って欲しいです。



龍樹くんのインタビューも内容盛りだくさん爆笑

龍樹くんが語る、トリプルアクセルと4回転を降りたときの気持ちが新鮮でした。「雲の上にいく」とか、想像してみるんですけど、これは跳んだ人にしか分からない。

羽生くんも自分を上から見る感じになるというのはよく言ってます。


思い出の試合を尋ねられて「同期で出たNHK杯」を一番に上げてくれました!



3人でシニアの国際試合で顔を揃えるのは初めての事でした。

↓以前こんな事を言っていました。

以前、羽生は「同期の3人の中で3回転ができるようになったのは僕が一番遅かった」と話していた。羽生は4度出た全日本ノービス選手権では1年目と4年目に優勝しているが、2年目は2位、3年目は3位。「そのときはまったくジャンプが跳べなくて号泣した。なんで僕だけ跳べないんだ、って」。日野や田中に負けたくないとの思いが、羽生のモチベーションでもあった。




3人でピコ太郎(←懐かしい)






あったね!あったね!

ブーブークッションのくだり爆笑

↓こちらの記事に詳細&動画あります。

https://ameblo.jp/minminmin-vync/entry-12224906987.html 





こんな風に試合で会うことももう無くなると思うと寂しいえーん

でも、龍樹くんは羽生くんの永遠の同期だからね。


3月の試合、あとひとつ頑張って下さい。

そこからの新しい生活も龍樹くんらしく活躍できるよう祈ってますニコニコ