蝶の食樹・食草 アラカワカンアオイ
新潟県北部から山形県にかけてはギフチョウの個体数が多い地域です。この地域は広くコシノカンアオイが分布しています。この種は4倍体で他のカンアオイに比べて肉厚で葉の面積も極めて大きく、ギフチョウの豊産を支えています。
この地域のカンアオイは全てコシノカンアオイと思われていましたが、実は三種類あって、微妙に棲み分けている様です。どれも葉が良く似ていて、花が咲かないと区別が難しいです。大雑把に言うと、コシノカンアオイは比較的標高が低い場所に見られ、標高が上がるとアラカワカンアオイ、ユキグニカンアオイが増えてきます。
荒川は新潟県を流れる川の名称です。荒川は山形県小国町を中心に新潟県村上市まで流れています、この流域がアラカワカンアオイの分布の中心になります。
蝶の食樹・食草 オオアブラススキ
植物の同定で一番厄介なのはイネ科です。花が付けば色々な同定方法もありますが、葉だけで見分けるのは厄介です。イネ科植物を食草としているジャノメチョウ類、セセリチョウ科の蝶は多くの種を食べるので実際は同定できなくて困ることは少ないと思います。ただホシチャバネセセリなど食草が限られている種に対してはどうしても同定が必要になります。
見つけるには、蝶の生息地に行って、母蝶に教えてもらうのが一番です。ホシチャバネセセリは広い草原の中でも極めて局地的に分布していて、母蝶が飛んでいる辺りには高確率で生えています。見分けるポイントは色合いです、葉の形が似ていても緑の濃さは種によって異なり色合いも違います。オオ(大)と付いていますが、背丈は低く、周りの草に埋もれています。葉が横に開いていて少し赤みが混ざります。
葉は柔らかいですがザラツキがある様に見えます。群生をしていて根は繋がっていますが総状にならず1本ずつ地面から生えています。
蝶の食樹・食草・食餌 モリクシケアリ(シワクシケアリ)
蝶の食樹、食草と言いつつアリの登場です。一部のシジミチョウの食べ物としてアリの幼虫は絶対に必要です。オオゴマシジミの幼虫はクロバナヒキオコシ、カメバヒココシを食べた後、アリの巣に運ばれ、アリの幼虫を食べます。
以前はゴマシジミとオオゴマシジミは同じシワクシケアリの幼虫を食べると思われていました。しかし、蝶の生息環境が違う上にアリの生態も異なるので別種ではないかと疑われ始めました。
人は80%以上を視覚に頼っていると言われています。昆虫でも蝶の様に視覚に頼る昆虫は見た目での種の分化が起こりやすいですが、アリは目が悪いために視覚は重要では無いために、形や色の分化が起こり難い昆虫です。見た目で区別できないのは人にとっては大変不便ですが、最近は遺伝子解析が行われる様になってシワクシケアリも4種に別れました。その中で、森林の朽木などに巣を作る種をモリクシケアリと呼ばれています。この類は標高によって棲み分けていて、オオゴマシジミが食べるモリクシケアリは本州中部では約1300m付近が生息地です。その為に食草の分布は比較的広いにも関わらず、オオゴマシジミが生息できる地域は極めて限られています。
普通、アリは1匹の女王でハタラキアリは全て女王の子供ですが、この種は1つの巣に女王が何匹かいることがあります。また女王アリは巣の中心にいないことが少なくありません。不安定な環境に生息するため不測の事態が起きたり、コロニーが大きくなると巣が分かれて行くと思われます。
アリの巣に入った幼虫はあまり摂食せず、大きくなりません。山地では気温が低くアリの活動も不活発になるので適応した結果です。春になると女王は大量の卵を産みます。その中に女王アリやオスアリの幼虫が多数含まれます。他のアリに比べてこれらの幼虫の比率が多い様に感じます。この大量のアリの幼虫を食べてオオゴマシジミの幼虫は急速に大きくなります。




