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蝶の食樹・食草 カメバヒキオコシ

   イヌヤマハッカの内、葉に切れ込みが無い個体をコウシンヤマハッカ、切れ込みがある個体をカメバヒキオコシと言うらしいです。この切れ込みは亀の形に似ていて、尾の向き様々なので見ていて飽きません。関東や中部地方の山地に多く、かなり湿った場所に見られます。日本海側や東北地方にも見られますが分水嶺が近づくとクロバナヒキオコシの勢力の方が大きく局地的になります。

 

 

 

   オオゴマシジミの食草です。クロバナヒキオコシとの混生地では、産卵の好みの差はないのですが幼虫を発見できる数はカメバヒキオコシの方が少ないと感じます。花序が混み合っていて天敵が潜み易いためだと思っています。  

 

      

 

   卵での寄生はほとんどありませんが多くの天敵は殻の硬い卵を避けて、幼虫が孵化するのを待って捕食します。

 

 

 

   花期はクロバナヒキオコシよりも遅く秋の花です。小さいですが釣鐘状の花がまとまって咲くので、群落になると目立ちます。

 

 

 

蝶の食樹・食草 クロバナヒキオコシ

   黒花という名前ですが実際は濃い紫です。暗い場所に生えているので黒く見えることから付いた名前だと思います。

 

  

   花は小さく目立ちませんが群落を作り上質で大変良い香りがします。ヒキオコシは弘法大師の故事から来ている様ですが、香りだけで何とも言えない良い気分になります。寒蘭と並んで一番好きな香りです。多雪地帯に多くカメバヒキオコシと混生していることもあります。

 

 

 

  カメバヒキオコシは夏でも水分の多い場所に生えていますが、クロバナヒキオコシは比較的乾燥した場所にも適応しています。実際に関東地方で栽培するとクロバナヒキオコシの方が栽培しやすく適応力があります。

 

 

              

 

  オオゴマシジミの食草です。幼虫は蕾や花を食べますが、産卵は葉や茎にも産まれていてあまり産卵場所にはこだわらない様です。幼虫は4齢の前期までは植物質を食べて、アリの巣に運ばれた後はアリの幼虫を食べる肉食になります。幼虫と成虫で食物が変わる例はありますが変態をぜず同じ口器で植物から動物質に切り替えられる例は大変珍しいです。

 

            

 

 

 

蝶の植樹・食草 シバハギ

   シバハギは芝でも萩でも無くヌスビトハギの仲間です。秋に咲く個体が多いですが夏に咲く物もあります。面上に広がるので大型の草本が繁茂すると消滅してしまいます。その為海岸沿いや草刈りが頻繁に行われる場所に見られます。

 

 

   タイワンツバメシジミの食草になっています。この蝶の幼虫は花と実しか食べないので開花の時期に発生します。主に9月に発生しますが、夏に開花する場所では夏に発生する場所もある様です。

 

 

   実は扁平でサヤエンドウを小さくした様な形をしていて、中に小さな種子が入っています。ヌスビトハギ同様、動物や服にくっついて遠くへ運ばれます。

 

 

   最近はどこでも減ってタイワンツバメシジミもいなくなってしまった場所も多い様ですが、実付きが良く発芽率も良いので積極的に増やす方が良いと思います。天然記念物や保護種に指定されると採集禁止などの消極的保護ばかりです。人の活動によって増えた植物や昆虫は、保護と言う名の放置で衰退させるよりも積極的に増やすべきだと思います。