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関東で探すことになった両親の住まい

検討していた引越し先は

 

北関東戸建て

東京中古マンション購入

東京賃貸マンション

北関東の施設

 

でしたが、東京の老人ホームを探してほしいと言われました。

 

私たちは母の頭の中の不思議な世界を一緒に彷徨いつつ

ショッピングを続けました。

 

 

前回のお話はこちら下矢印

 

 

その後、別のショッピングモールにて4人、3世代で昼食をとりました。

 

「タカユキくん、たくさん食べてね。

アメリカに行ったら日本の食べ物は

しばらく食べられないわねぇ」

 

タカユキ

「ありがとう!

食事は多分すぐなれるから大丈夫だよ」

 

「でも、タカちゃん

好き嫌いが結構あるでしょ?

おばあちゃん心配だわ」

 

 

母は最近のことはすぐに忘れてしまうのですが、昔のこと、タカユキが小さかった頃のことは、はっきり覚えているようです。

 

 

タカユキ

「そういえば、子供の頃、

夏休みに九州に来て

おばあちゃんにプールに

連れて行ってもらったよね」

 

「そうそう、よくプールに行ったわね。

タカちゃんと太一くんは仲が良くて、

いつも2人でくっついて遊んでたわ」

 

 

やはり昔のことは鮮明に覚えているようで、孫と過ごした夏休みの思い出などが次々出てきました。

 

ですが、数ヶ月前、1〜2年前のことになるとかなり記憶があやふやになっています。

 

 

「また太一くんと一緒に

九州に遊びにきてね。

夏休みにゆっくりきたらいいんじゃない?」

 

タカユキ

「いや、太一はもう就職したから

休みがあんま取れないんだよね」

 

「……あ、そうね。

太一くん、もう働いてるのよね」

 

 

 

 

 

 

母の記憶の世界

 

その後、母が買いたいと言っていたスカートを買いに行き、その間、

父は他に買うのもがあるらしく別のショップへ行き、別行動になりました。

 

母が気に入ったスカートをいくつか選んだ後も、父がなかなか戻ってこないので母に尋ねました。

 

 

「お母さん、お父さんって

何を買いに行ったの?」

 

「確か、キッチンのマットみたいなのを

買うって言ってたわよ。

あと、お風呂の椅子も買うって

言ってた気がするわ」

 

「そうなの?

それってどこで買ってるんだろう?」

 

「お父さんはいつも

ここの2階のホームセンター

みたいな売り場に行くのよ」

 

「あ、ここの2階に

そう言うのあるんだ」

 

「そうそう。

お父さんいつも2階で

いろいろ買い物するのよ」

 

「じゃあ、ちょっと

2階でお父さん探してくるから

お母さんここで待ってて」

 

「わかったわ。

じゃあタカちゃんと

ここに座って待ってるわね」

 

 

そう言って私はエレベーターで2階へ上がりました。

 

2階…?

 

ちょっと待って

 

2階ってさっき来たような

 

ここでまた前回と似たような既視感が湧いてきました。

 

その時、エレベーターのドアが開き

そこはまた

 

駐車場…

 

 

 

 

あぁ…

またこれ…

 

くうぅぅ

母の話を真に受けた私がバカだった笑い泣き

 

 

ここは1階にしか店舗がない

平屋タイプのだだっ広いショッピングセンターだったのでした。

 

1階の母のところに戻り、もう一度父の行きそうなところを訪ねました。

 

 

「2階は駐車場だった。

お父さんどこで買い物してるんだろう」

 

「え!2階が駐車場??

そんなはずないわ!!

お父さんいつもここの2階で買い物してるのよ」

 

「いやいや、2階は駐車場だよ。

さっきそこに車停めたし」

 

「そんなはずないわ!

2階はインテリア用品を売ってるのよ。

行ってみましょう!」

 

「いや…、2階は駐車場だって」

 

「2階はインテリア用品よ!

お父さん2階にいるはずよ

行ってみましょう!」

 

私・タカユキ

「……」

 

2階に店舗があると言い切る母。

母を納得させるためにも一緒にまたエレベーターで2階へ上がりました。

 

 

が…

 

しかしそこはやはり駐車場…

 

 

「変ねぇ…。

おかしいわ。

ここにインテリア用品の

売り場があったのに

なくなったのかしら。」

 

 

額に手を当て、目をつぶって考え込む母。

 

必死に過去の記憶を辿っているようですが、

母はまた奇妙な世界に迷い込んでしまったようです。

 

 

お母さん、こっちの世界に戻ってきて。

 

2階は駐車場。

 

インテリア用品の店はどこかの架空の世界。

 

現実世界の2階は駐車場なんだよ。

 

 

私は母がこのまま違う世界に行ってしまうんじゃないかと

なんだか寂しい気持ちになってきました。

 

 

 

 

どんな施設を検討しているのか

 

 

ショッピングを終え、私はホテルに戻る前に父に今後のことについて少し尋ねました。

 

 

「施設っていってもいろいろあるけど

個室より二人同じ部屋がいいんでしょ?」

 

「そう言うところがあればな」

 

「予算はやっぱり20万円くらいだよね?」

 

「うーん、まあ、

そのくらいであればいいが、

少し20万円超えてもいい」

 

「うーん。。。」

 

 

そうなると、高齢者向け住宅になるだろうか。

何にしても東京となると高くなりそうけど。

 

大きな宿題を出された私は、このことは東京に戻ってからよく考えて両親に結論を伝えることにし、これ以上施設について話すのはやめました。

 

東京で、2人で20万円くらいの高齢者施設。

 

わりと自由な方がいいんだろうし、

狭すぎるのも嫌がりそう。

 

そんな、なかなか難しい宿題を抱えて私はタカユキとともに、東京へ戻りました。