「夢物語」感想記 | どいつもこいつも馬鹿にしやがって!

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この映画を知ったのは、関根勤チャンネルのこの動画から。面白そうだ、見なければ!となりました、

 

 

以下、ネタバレありでつらつらと書きます。

 

・映画は3部構成。その前にはイントロ的な映像が流れ、映画終了後にはサモ・ハンとの対談が流れました。


・冒頭の”イントロ”は、川に向かって石を投げている少年に倉田保昭が話掛ける場面。一通りのやり取りが終わると急にカメラ目線となり、「この映画は…」との説明が始まったのには驚いた。いきなりのメタ発言とは!笑


・物語は主人公が夢を見て、そこからそれぞれの場面に入っていくというスタイル。


・第1話は、倉田扮する田中平蔵が、リメイクが決まった任侠映画のオーディションを受けるところから始まる物語。映画中のアクションシーンは寄りで撮られていてカメラも揺れていたので、「この撮り方だとごまかしは効くかなぁ」と、言葉にすれば乱暴だけれどまあ、そういう類の事を考えていた。その後、引きの固定カメラでリハーサルの場面が映された時、はっきりと分かった。やっぱりこれは凄い動きなのだと…!

客観的に見る事ができたその映像での動きは、80歳という事実がとても信じられないものだった。さらに驚いたのが、何気なく映っていた柔軟シーン。足を前後にほぼ180度開いて体ほぐしていたのだ。今もって日常的に鍛えているという事が容易に見て取れた場面だった。

 

・第2話は、冴えない生活を送っているカンフーファンのOLが謎の男と出会い、覚醒する話。主人公を務めた武田梨奈についたは”アクション女優”というイメージくらいの知識しかない状態での初見だったのだけれど、”アクション女優”というより”アクションもできる女優”であることが分かった。演技はメリハリが効いていて、好感度が高かったです。

 

・倉田はもちろんのこと、武田も立っているだけで絵になっていた。これは実際に空手経験者でなければ作り出せない立ち姿。”基礎”ってこういうところに出るのだと実感した。

 

・謎の男を演じたのは、加藤雅也。全く気づかなかった!

 

・平蔵は気づくとブルース・リー命日の香港にいた。手には夢を見る前に持っていた心臓の薬…この薬をブルースに届けるべく奮闘するというストーリーが第3話。

 

・「サモ・ハン・キンポー」が現在は「サモ・ハン」呼称になっているのはこの映画の表記から知った。撮影所に乗り込んだ倉田と警備員のサモ・ハンのアクションにはただただワクワク。さすが!

 

・3話前半には声を掛けてきた青年に名前を聞いたら「ジャッキー・チェンといいます」と返ってきたという、ニヤリとする場面も。そうえいば、ちょっとだけ似てた笑

 

・対談で一番印象に残ったのは、「どうして映画に出演してくれたんですか?」という倉田の問いに対してのサモ・ハンの返答。「何を言っているんだ。50年来の友人じゃないか」

「何を言っているんだ」という言い回しにはグッときました。

 

・本編の最後に、倉田の過去の写真が映された。ブルースとの写真が何枚か続いたあと、少年が映っている写真が。そうか。冒頭の石を投げる少年、あれは倉田自身だったんだ!

 

・「夢物語」というタイトルについて。「夢を見たことで物語の場面に飛ぶ」という映画構成上の”夢”と、「人が憧れ実現しようと努める対象」としての”夢”という二重の意味を持つ、とてもいいタイトルでした。

 

 

地方都市の、地味だけれどとてもいい映画を掛けてくれる映画館。お金がないのか、トイレの半分がずっと「故障中」のままの映画館で見た上映最終回の映画は、見てよかったと心底思えた映画でした。