「こちらマガーク探偵団」E・W・ヒルディック著、蕗沢忠枝訳、山口太一挿絵、あかね書房。
シャーロック・ホームズ好きな私がめぐりあったのが、このシリーズです。
アメリカの10歳の少年、ジャック・マガークは、ガキ大将。探偵小説にはまり、
自宅の地下室を探偵団の事務所にします。彼の友人、ジョーイは冷静な記録係。
この物語は、ジョーイの視点で綴られていきます。
ものすごく鼻のきくウィリー、おてんばなワンダ、天才少年科学者ブレインズ。
彼らは、地域で起こる不思議な謎を解き明かします。それは、小さなことから、
警察にも協力するような大事件まで、どれもほんとにワクワクするような謎解きなのです。
なんといっても、山口太一さんの挿絵が素晴らしいです。
漫画タッチなのですが、マガーク達の特徴をよくつかんでいて、表情の描写が真に迫っていて、ほんとうに、この挿絵が無かったら楽しさも半減したかと思うくらい。
翻訳されたすべてのシリーズを読んでいるわけではないのですが、私が未読の巻では、
「マリ・ヨシムラ」という、空手の達人の日本人少女が探偵団に加わったようなのです。
この物語の、日本での人気がどれほどだったかわからないのですが、作者のヒルディック先生はご存知だったのでしょうか?
今でもはっきり覚えているのが、マガーク少年とお父さんのやりとり。
仕事を終えて帰ってきた父親を家の外で待ち構えて、マガークは言います。
「おとうさん、ぼくらは助けてほしいんだ」
息子のその言葉に対して、
「なんだ、こんどは何を壊したんだ?」とも、
「わかったわかった、まず家に入らせてくれ」とも言わず、ただ、自然に、
「いいよ。話してごらん」と、受け入れる父親。
そして息子の話を真剣に聴き、的確なアドバイスをくれるのでした。
ああ…受け入れられているんだ、と、読んでいるこちらもうれしい気持ちになりました。
今は、図書館の児童書コーナーでしか読めないのかも知れませんが、
忘れられない本です。