「これいただくわ」ポール・ラドニック作、小川高義訳、白水社

 

「新しいアメリカの小説」の一つとして、1990年に出版されたこの本。

あまり…というか、ほとんど知られていないですね。

 

ニューヨークに住む26歳のユダヤ系アメリカ人、ジョー。

母のへディと、母の2人の姉、ポーラとアイダの合計4人で、ニューイングランドを

ドライブすることになります。

観光旅行?もちろん、そうなのですが、目的はそれだけじゃありません。

お買いものーショッピングです!とっても魅力的な、ニューヨークの有名デパート、ブルーミングデールズから、知る人ぞ知る、お得な直売所、安売り店、ショッピングモールまで、ありとあらゆるお店からTVショッピング番組まで、お買いもの行脚をする4人組。

人生のベテランで、親切心にあふれた3姉妹は、旅の途中で知り合った、人生に疲れている若妻ケリーを元気づけます。その合間にもショッピング!

旅路の終わりは、アウトドアウェアで日本でも有名なL.L.ビーン。

実は、ヘディとジョーの親子には秘密があって…

 

あらすじだけだと面白くないですが、文章中にてんこ盛りにされるメーカー名、商品名、店名、テンポがよくて全然飽きないんです。この4人にはブランド信仰はなくて、品質の良いものを、破格の値段で手に入れたいという、ショッピングに対する熱情がすごいのです。それはそのまま、生きる力、前向きで元気な力、楽しむ力につながっていきます。

 

元気になれる、好きな本です。

 

そうそう、直売所って何のことでしょうか?今では日本でも珍しくない「アウトレット」のことです!この当時、まだ日本にはなかったので、言葉もなかったのです。

今でも全然古くなく、楽しく読める小説です。