毎日新聞 2013年03月07日
警察庁は7日、東日本大震災の被災地で発見された遺体の身元確認状況を公表した。警察が2月末までに扱った1万5811体のうち身元が確認された割合は99・2%になり、不明は残り132体となった。一方、昨年9月から新たに発見された遺体は3体にとどまり、行方不明者は2694人に上っている。
同庁によると、昨年9月12日から今年2月末までに新たに89体の身元が判明。確認方法の内訳は「身体的特徴や所持品」が57体▽「歯型」が24体▽「DNA型」が7体▽「指紋」が1体。
このうち79体で、親子間のDNA型鑑定が併用された。行方不明者本人の鑑定資料は献血が主に使用されてきたが、昨年8月からは健康診断や乳幼児健診、がん検診で採取された血液や粘膜なども活用。その結果、岩手、宮城両県で計7体の身元確認に至った。
また警察は、遺体写真から生前の容貌を描いた似顔絵を作製し公表してきたが、昨年9月12日以降も6体の身元確認につながった。遺体写真に比べて見る側の心理的負担が少ない上、広く情報が寄せられる利点があり、現在も岩手、宮城、福島の3県警のホームページに33人分が公表されている。