毎日新聞 3月7日(木)15時1分配信
東京電力福島第1原発事故から今月で2年を迎えることを機に、自然環境や食品中に含まれる放射性物質の測定や、人体への影響の調査などに取り組んできた金沢大の研究者によるシンポジウムが8日、同大の角間キャンパスで開かれる。申し込み不要で、誰でも参加できる。
シンポジウムのタイトルは「福島原発事故に対する金沢大学のアプローチ」。放射線関連の研究分野を専攻する同大の5人の研究者が講演する。
講演者の1人、同大学際科学実験センターの柴和弘教授(放射線科学)は、事故直後に福島県産の野菜に含まれるヨウ素の濃度を測定。さらに、野菜からワインにも含まれる酸化防止剤を使ってヨウ素を効果的に除去する方法を考案した経緯などを語る。また、野菜を載せると、放射線を放っている位置や、量が記録される特殊なプレートを使った測定方法も説明する。
柴教授は、「『どんな影響があるか分からない』という不安が、放射能への過剰な不安をあおる。人体への影響の程度などを客観的なデータで分かりやすく示したい」と話している。
シンポジウムは8日午後1時から、同大自然科学大講義棟1階レクチャーホールで。問い合わせは同センターの柴教授(076・265・2470)。