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今回のルールは、ズバリ、説明しちゃダメだということです。
説明しない
僕もそうでしたが、論文の勉強を始めると、何とか説明しようとします。
こうでこうだから、こうなって、ああなって…
こういう書き方は基本的にダメです。
なぜなら、点にならないからです。
では、どうやって書けばいいかというと、結論だけ書き続けるんです。
たとえば、こんな感じです。
【例①】
〇は×か?
〇は△である。
△は×である。
よって〇は×である。
同じ問題を、説明しようとして書くとこうなります。
【例②】
本問では、〇は×であるかということが問われているが、その点について私が考えたことを書くと、まず問題文を読むと〇は△であるということが読み取れるのであり、次に学説の〇〇説によると、△は×であるとの説があり、私はこの説を採用するべきであるという立場に立っているから、△は×といえるので、以上の事実に対して三段論法を適用すれば、〇は×であるということが導かれるのである。
かなり長いですね。
読みづらいですし。
試験委員もうんざりするでしょう。
こんなの読んでられっか。
そう思うと思います。
なぜ説明してはいけないのか
では、なぜ【例②】ではダメなのか
理由を説明しましょう。
①結論がわからない
第1に、長い文章だと最後まで読まないと結論がわかりません。
たとえば、例②の場合、最後まで読まないと、「○は×である」なのか「〇は×ではない」なのか「〇は×であるとは限らない」なのか、どの結論になるのかわかりません。
そうすると、読んでいる側としては、どの結論になってもいいように可能性を留保しつつ、文章を読み進めなければなりません。
これは、かなり苦痛です。
採点官は、何十通も何百通も答案を読んで採点します。
だから、同じ文章をもう一回読み返したりはしません。
そんな時間はないからです。
1通の答案を読むのは1回だけです。
つまり、採点官が1回読んで頭に入らないと、書いてないのと同じなんです。
例②でいうと、おそらく「○は×である」という結論しか頭に残りません。
それ以外のことは、書いてないのと同じになってしまうんです。
当の書いている本人は、長い文章を書いて、夜中のラブレターみたいに満足しているのかもしれません。
でも、採点官の頭に入らなければ無意味です。
そういう独りよがりな文章はやめましょう。
②見落としてしまう
第2に、【例①】の各文章に配点があるとします。
「〇は×か?」という問題提起をしたら2点、「〇は△」とあれば2点とか。
そうすると、採点官は、【例②】の長い文章の中に、点があるかを必死に探さないといけません。
採点官だって人間です。
見落とすかもしれません。
だから、点をつけやすいように、できるだけ文章を短く区切って書くんです。
できれば、違う内容なら、段落を変えたほうが無難です。
そうすると、間違いなく点にしてくれるからです。
③理解できてない
第3に、長い文章というのは、基本的に短く書けない人が書くんですね。
要は、書く内容がまとまっていない。
ふわっとしたことは頭に浮かんでいる。
そんな人が、なんとなくごまかそうとして書く場合が多いんです。
そういう文章は、採点官が読むとすぐにわかります。
こいつ、結局のところわかってないな。
そういう文章には点がつきません。
ごまかそうたって無駄です。
そんなことで騙される試験委員ではありません。
なにしろ試験委員の皆さんは、超々々天才の人たちですから。
④本人がわからなくなる
第4に、長い文章は書いている本人が途中でわからなくなります。
法律の理論はかなり複雑です。
短い文章で書いても難しいのに、長い文章で書いたらもっと難しくなります。
主語と述語が合わなくなることもよくあります。
1つの文章を書いてる途中に、違うことを考えてしまうんですね。
そんな文章では、採点官も点がつけられません。
この文章の結論はなんだ?となるからです。
結局、無意味な文章になってしまうんです。
結論だけ書く
論文試験では説明しようとしちゃだめです。
できるだけ結論だけ書いてください。
それが、合格への近道です。