独学で合格を目指したい方、個別指導をしています。

 詳しくはこちらをどうぞ。

 

 

 「頑張った」で受かる試験ではない

 

 僕が1回目の予備試験の論文式試験に落ちて、はっきりとわかったことがあります。

 それは、「頑張った」で受かる試験ではないことです。

 確認なんですけど、司法試験は努力を認めてあげる試験ではないんですね。

 

 他の試験なら、そういう部分もあるでしょう。

 たとえば、私は行政書士試験を受けて合格しましたが、印象としては、「頑張った」人を合格させる試験でした。

 別に、試験で問われた法的知識を、行政書士になってから使うわけでもないんですね。 

 特に憲法とか、一般教養なんかはそうです。

 別に行政書士として必要な知識ではない。

 ただ、これだけ頑張ったんだから、行政書士として認めてあげてもいいよ。

 そんな試験だと思いましまた。

 

 司法試験は、そういうものではありません。

 そのことが、1回目の試験に落ちたときにはっきりとわかりました。

 そのときの感想は、「司法試験、容赦ないな。」でした。

 

天才を合格させる試験でもない

 次に、司法試験は、天才を合格させる試験でもありません。

 実際に受験をすればわかりますが、あんな難しい問題を、あんな短時間で、その場で考えて書くなんて、どんな天才でも不可能です。

 問題を15分ぐらいの超速で読んで、読み終わった瞬間に5分ぐらい考えて、その後、すさまじいスピードでマシーンのように答案を書く必要があります。

 つまり、司法試験では、考える時間なんてないんです。

 

 試験委員は、受験生に考える力とか、天才的なひらめきなんて望んでいません。

 むしろ、試験会場でひらめいてしまうと、変なことを書いて落ちてしまいます。

 東大生でもかなりの割合で落ちるのは、それだけ試験が難しいんじゃなくて、別に天才を要求してないからなんですね。

 つまり、司法試験は、天才を合格させる試験ではないということなんです。

 

法律家のルールを体得した人が合格する

 では、どんな人が試験に合格するのでしょうか。

 

 実は、法律家の間には、ものごとを考える際のルールがあります。

 第1に、法律の条文を宗教の教義のように大事にします。

 第2に、条文では書いてなければ判例を大事にします。

 第3に、個別の事案の解決には、規範を立ててあてはめをします。

 別に順番はどうでもいいですが、こんなルールがあります。

 

 簡単にいうと、このルールを体得していないと、法律家の仲間に入れてもらえません。

 じゃないと、会話が通じないからです。

 つまり、司法試験とは、努力の量とか、才能を評価する試験ではなくて、法律家のルールを体得した人を仲間に入れてあげるための試験なんですね。

 

合格まで時間がかかる人

 だから、合格するには法律家のルールを身につけるしかありません。

 「こんなに頑張ったんだ」とアピールしたり、「俺はこう思う」なんて持論を振りかざすことには、何の意味もありません。

 そんなことはよそでやってくれ。

 俺たちとは関係ない。

 仲間に入りたいなら、ルールを体得してくれ。

 そのことを、答案上に表現してくれ。

 

 司法試験とは、そういう試験なんですね。

 そのあたりがわからないと、合格までにかなりの時間がかかってしまうわけです。

 ここが、独学が難しい大きな理由だと思います。

 

 今回はこのあたりで。