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そもそも法律学が難しい
勉強を始めればわかるのですが、法律学はかなり難しい学問です。
特に刑法総論はかなり難解です。
司法試験合格者でも、どれだけの人が理解できてんだろうか。
大学受験とは比べられない
司法試験と比べると、大学受験はそれほど難しくないと思います。
50になって今さら自慢する気は全くありませんが、僕は東大理科Ⅰ類に現役で合格しました。
当時のことを思い出しても、解答を見てわからなかったことは、そんなにありませんでした。
むしろ、数学でわからない部分を見つけると、喜んで先生に質問にいきました。
僕にとって、大学受験の数学はパズルみたいなものだったんですね。
それと比べると、法律学はかなり難解です。
解答を見てもわからないんです。
なぜ難解なのか、理由を説明します。
⑴ 暗記が大変
法律の勉強では、まず暗記から始まります。
どんな条文があるか、どんな判例があるか。
これを覚えないと、その次の難しい理屈にたどり着けません。
僕は、理系だったこともあり、数学の定義はすぐ覚えました。
物理学の法則もすぐ覚えました。
化学では有機で暗記がありましたが、法律に比べればなんてことなかったです。
それと比べると、法律の暗記はかなりやっかいです。
記号ではなく、文章を覚えるんです。
さらにその文章が難解なんです。
さらに、覚える量が半端なく多いんですね。
勉強の入り口からして難しいんです。
これはかなり驚きましたね。
⑵ 理解するのが大変
次に、覚えた知識を、深く理解する必要があります。
これがまた難しいんですね。
文章を読めば、日本語で書いてあるので、読めないことはありません。
でも、本当に使いこなせるようになるのは大変です。
そして、これがとても不思議なんですが、同じ内容を3回ぐらいは集中して読まないと、意味が頭に深く入ってこないんですね。
それだけ、難しい理論なんだと思います。
そして多くの受験生が、この「理解を深める」という作業を中途半端にしてしまいます。
難しいから後回しにします。
この作業をやらずに、「それでも受かる方法はないんですか?」と質問します。
僕もそうでした。
「俺は社会人で頑張ってるんだ。
いちいち深く学んでる余裕はない。
こんな俺でも合格する方法を教えてくれ。
なんか方法があるだろう。」
これでは何年やっても合格できません。
理解を深めるしかないんですね。
⑶ 理屈に理屈が積みあがっている
法律では、原則を作ると例外ができます。
現実世界は、数式のようにはいきませんから。
そして、例外を決めると、またその例外ができます。
また、1つの問題に対して、いくつもの見解が生まれます。
このように、法律学では、1つのテーマに1つの答えはありません。
こうして、やっと難しい理屈を理解したのに、さらにそこから難しい理屈が積みあがるんです。
これは、僕にとってかなり予想外でした。
⑷ 明快な答えはない
理系出身の僕は、
「なんだよ、もっと簡単に結論だけ示せないのかよ」
と常々思っていました。
僕にとっては、1+1=2 なんです。1+1=3 なんていう例外はないんです。他の見解もないんです。
法律の勉強をしていてよく思ったのが、「早く答えを教えてくれ。」でした。
1+1=2 みたいな、明快な答えがあると思っていたんですね。
法律で扱うのは数字ではありません。
生身の人間の行動です。
だから、明快な答えなんてないんです。
そんな学問なんだと、覚悟するのが大事です。
法律学は難しい。
答えだけ覚えるなんていう勉強法はない。
理屈や理由を理解するしかない。
その覚悟が必要です。
理解してないと、答案が書けませんから。
それでは、今回はこのあたりで。
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