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『社員の見える化』
長尾 一洋 著

● この本を読んだきっかけ

1年間総務を務めてきて、いくつか「イチから作る」ことをしてきました。
残りが3つほどかなぁ…と思っているのですが、そのうちのひとつに、
「人事評価制度」があります。
すぐ、ではないのですが、いつか取り組みたいと思っているので、
人事で使えそうな本をとしてこれを読んでみました。


● 内容

“社員は資産であり、人財であり、これを最大限に活かすには、
社員の「能力」「心」「価値観」を、
改善のための着眼点になるように見える化することが必要”
という考えを軸に書かれています。

下記の5章の内容で構成されています。
第1章 見える化とは何か
第2章 能力の見える化
第3章 心の見える化(実際のツールの説明付)
第4章 価値観の見える化
第5章 中国古典に学ぶ見える化(おさらいとおまけ)


● 率直な感想

『これだけPDCA』以来の、「これだ!!!」と思う本でした。
すぐに使える、すぐに浸透させてかまわない、そんな内容だと思います。
以前読んだ、小山昇氏著の『強い会社の教科書』の後半にも人事評価制度はありましたが、
こちらの本の方が込み入った内容で、しかも図解付き、超端的にかいてありました。

この本を読んだことによって、漠然と
知りたい!考えてみたい!と思っていたことが
どんな観点から攻めて考えられるかが見えた気がします。

また、今社内、法律やフォーマットにとらわれすぎない就業規則を考える動きがあるようですが、
その方針を決めたり、固定観念から脱出したりするにはもってこいのキーワードがたくさんつまっていました。

ちなみに、日報を用いる手法が書かれていたので、
なおのこと当社に合っているかもしれないと思いました。


● この本を読んで得られた目から鱗の話

P14
社員を資産として考える
社員1人(年収600万円)を40年雇うのは2億4千万円の投資
⇒同額の設備投資するのと同様に資産をくむべき。また、設備を導入後の
マネジメントやメンテナンスと同様に、採用後の教育制度やカウンセリングを充実させるべき。

年収600万円(月収40万円程度)というのは、
若手が多い今のミニッシュでは相応しくないのですが、
それでも、備品や保険料を考えれば馬鹿にならない数字だと思います。
この額は、勤続する人間を2人雇うとミニッシュの新社屋が買える数字です。
今の新社屋を購入した時を思い返せば、もっと慎重に、また、工夫して人を雇ってもよいのかな、と思いました。


P65
社員の稼働率を見える化
『売上高人件費率(%)=人件費÷売上高×100』
この公式ならば、
①人件費が高い人間がある仕事を1人で完成させた
②人件費が低い人間がある仕事を2人で完成させた
の比較ができるから。

今いる人たちの力を伸ばしたいミニッシュにとっては
かなり使える公式なのではないかと思いました。


P85
見える化したデータを見ながら、会社と社員の間で評価について合意することが大事。

つまりは面談を行って、昇給などの話を行え、という意味です。
実は、前回の昇給シーズンに社内の空気が大変悪くなっていました。それは、
「自分がどうして評価されていないのかがわからない。だから、今後どう頑張ればよいのかわからない。」
という不明瞭さからきていたものでした。
この考え方を取り入れれば、その不明瞭さをすっきり解消してくれるんじゃないか、
社員のメンタルヘルスもついでに取り組めるのではないか、と思いました。


P211
(論語より)
視(その人物の行為を客観的に見よ)
観(その人物が過去から行ってきた経緯を振り返る)
察(その人物の意図や動機、目的を察してみよ)
で見れば誰も本性を隠せない。

社長が「失敗を許す」といつも言っておられることを
しっかりと評価するには大事な観点だと思いました。


P216
リーダーは、個々がどうだった、ではなく、全体として勢いを作っていくべき

誰が足を引きずった、だれが活躍したとかではなくて、
ただ、リーダーが率いた事実を評価するには、こう考えるべき、という意味だそうです。
徹底的に偏らない評価をするにはアリかもしれないと思いました。


● この本を踏まえて今後どのように生きるか

これらはあくまでツールであり、使いこなすには
たくさんの勉強と努力が必要です。
しかし、考えを詰めて、人事評価制度の土台だけでも
作れるようになりたいです。
「初めて作る」のは、いつもしっちゃかめっちゃかにされるための
ドラフトがあると飛躍や確立がスムーズにいくんだなあ、と最近思っています。
そのドラフト作りをして、提案できるようになれたらいいな、と思います。

● どんな人にオススメしたいか

部下を持つ人。とくに、部下をちゃんと見つめてあげたい人。
会社の人事にかかわる人。

● 何冊目に読んだ本?

24冊目と
2冊目です。
(全体を通して26冊目)