今回は初めて映画の紹介です。普段は映画を見ることは無いのですが,今回は医療系の実話を元にした映画で,バラエティー番組 (芸能人ドッキリGPなど)でも大活躍の大泉 洋さんが主演ということで見てみました。タイトルは「ディア・ファミリー」です。



プラスチック加工業の小さな町工場を営む家族の話で,1970年代の日本人にとって心臓病が致命的だった頃に,社長の娘も幼くして余命10年を言い渡されます。それなら自分が作ってやろうと,素人ながら当時は不可能といわれていた人工心臓の開発に挑みます。時は過ぎて結局,夢は叶わず娘の死の悲しみに明け暮れていましたが「私のことはいいから,同じように苦しんでいる患者のために頑張って」と言い残した娘との約束を果たすため,人工心臓開発途中に知ったバルーンカテーテル (IABP)の開発に再び挑んで成功させました。世界で17万人の命を救ったといわれるIABPバルーンカテーテル誕生の物語です。ちなみにIABP (intra-aortic balloon pumping)とは大動脈バルーンパンピングの略で,風船のついたカテーテルを心臓から出た少し先の胸部下行大動脈に留置し,心臓の拍動に合わせて収縮と拡張 (パンピング)させることで心臓の機能を補助する装置で,完全に心臓の代わりになるものではないものの,弱った心臓の機能を回復させたり,危機的な状況を乗り越えたりできる夢のような装置です。バルーンカテーテルは体外で専用の制御装置に繋いで使用します。バルーンカテーテル自体は1本が18万円ほどで「ディア・ファミリー」が100回見られます。皆さんも1度くらいご覧になってみて下さい。感動すること間違いなしです。写真はバルーンカテーテル(国産かどうかは分かりません)と制御装置です。





〈アクセス〉和歌山ではイオンシネマで上映中。