和歌山市有本の紀の川にほど近い所に若宮八幡宮があります。ここは和歌山城の鬼門除けの神社です。ちなみに裏鬼門は和歌山市堀止にある,まんま伊勢神宮の神明神社です(2021年5月9日に紹介)。若宮八幡宮の祭神は応神天皇,仁徳天皇,神功皇后ですが,元々は鎌倉の鶴岡八幡宮のご神体が1439年の永享の乱の時に別当僧によって紀州へ移され,1636年に紀州藩初代藩主の徳川頼宣が社殿を造り祀ったのが始まりです。ですから若宮八幡宮とは鎌倉の鶴岡八幡宮です。まず,神門のずっと手前の紀之川中学校の前に大鳥居があって,そこだけ舗装されずに石が敷き詰められていますが,昔しもやけに悩まされた娘の両親がこの石を持ち帰り毎日願いながら磨いたら治ったとの言い伝えから7月20日の丑祭りが江戸時代が始まったそうです。願いが叶うと翌年に紀の川の河川敷で石を拾い2つにして返す風習があります。




次に神門をくぐると奥に神殿が見えますが左手に石碑があり,その左には大きなイチョウの木と更に奥に天然記念物の大きな菩提樹があります。





また参道に戻って進むと左手に祠と龍神様が祀られています。



そして本殿の鳥居の手前左側には狛犬ではなく猿神像が建つ日吉(ひえ)山王神社があります。ここは安産の神様が祀られていて,妊婦の人は安産を祈願して瓦でできた猿を一体借り受けて帰り,産後に一体を買い添えてお礼参りをする風習があります。







いよいよ本殿に向かいます。本殿の両横の祠にも何柱か祀られています。そして本殿にある八幡宮の八の字が鳩になっていることが,ここが源氏ゆかりの神社であることを示しています。






本殿の右側から鎮守の森を抜けるとすぐに紀の川の土手に出ます。距離は短いですが,かなり深い森のように空気が澄んでいます。ぜひとも体感してみて下さい。




〈アクセス〉JR阪和線:紀伊中ノ島駅から北へ。国道24号線沿いに紀ノ川中学校が見え,神社はその北側。細い路地のような道が多い。