日本のピラミッドと言われる有田川町の白山にある田殿丹生神社と頂上の白山神社を散策します。頂上の白山神社までは片道20分程の山道ですが,トレッキングシューズの山登りスタイルをお勧めします。まず麓の田殿丹生神社は有田川の吉備橋北詰の国道480号線を東へ少し行った有田川沿いにあります。旧地名の吉備町のマンホールがありました。目の前の大きな楠の木は県指定文化財・天然記念物かつ神木で,1000年頃(平安時代)の大洪水まで鎮守の社であった「夏瀬の森」の楠です。足利義満が金閣寺を建てる際に,天井の一枚板に使うのに切り倒した切株から生えたと云われています。






それでは丹生神社へ参拝します。約1600年前に建立されましたが大洪水の後でこの地に移されました。かつてはお寺もあった名残があります。祭神は天照大神の妹の丹生都比売命と御子神の大名草彦命(高野大明神)です。丹生都比売命はここでは農耕だけでなく水銀の開発を行ったとされています。途中の神門には自祓の小麻(こぬさ),昔の境内図,祭りの写真などが置かれていました。







神門を過ぎると階段の上に神殿があります。また右手には有田川から出たという大きな楠の切株が置かれていました。階段の途中には昭和28年に起こった大水害の記録があります。初めの「夏瀬の森の楠」のすぐ裏は有田川ですが,川の深さの何倍分も水が溢れるなんて,近年起こっている大災害よりもっと凄かったかもしれません。






さて参拝を終えたら次は白山を登ります。一旦鳥居を出て,横(西側)にある公園の脇から山に入っていきます。すぐにミカン畑がある山道になり,杖が置かれていました。途中,景色が見える所もありますが大半は木が生い茂っています。案内板が無いので道を間違えないように気を付けて下さい。高さは166mだそうで半分程登ったら獣除けのフェンスがあるので,開けて先へ進みます。手前か先かどっちが安全地帯か分かりませんが後半は道が岩場っぽくなってきます。そして最初から20分程で頂上の白山神社に到着します。祭神は菊理姫命です。木が多いので景色は途中程は見えませんでした。

















麓に降りてきたらもう一度,山の方を見て下さい。真ん中に白い大きな岩があってよく見ると色が付いている部分があります。丹生神社の前ぐらいから見ると,何かが手を挙げているようにも見えます。今度は有田川を渡って違う角度から見てみると,所々色が剥がれてはいるものの,これは両腕を挙げた(飛んでいる?)鳥の丸印に見えませんか? 実はこれはペトログラフといって,5000年前のシュメール人が伝えた古代の岩刻文字ではないかと言われています。白山は白い岩肌の完璧に近いピラミッド型の山であり,その中腹にある巨大岩に描かれているとあってロマンは深まるばかりです。ちなみに同行した者は巨大岩の上から3分の1辺りの左横に “小型UFOがいる!” とずっと言ってました。興味がある方は是非散策してみて下さい。










〈アクセス〉JRきのくに線:藤並駅から県道159線を北へ高速 湯浅御坊道路に沿って進み,有田川の田殿大橋を渡ったら県道480号線を右へ。次の田殿橋,吉備橋を過ぎてすぐ。県道480号線沿い。駅から4km程。または藤並駅から有田鉄道バス:下津野バス停から1km北の吉備橋を渡って右へ。