西の魔女 | スコットランドの毎日。

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スコットランドでのフツーの日常ブログです。

 

 

 

去年のハロウィンでゾンビになったところ、

夫からは「土曜の朝のキミと何が違うんだい?」

と言われ、娘からは、

「来年、それはやめてね」

 

 

それを受けて、今年はもっと強烈なのにしてやろうと

顔を緑に塗って、

オズの魔法使いの西の悪い魔女になりました。

 

 
 
ブログにほぼ登場しない私のツラをご覧になりたい方はこちらをどうぞ。
 
 
 
 
私は、この西の魔女が好きです。
 
西の魔女が好きというか、
ミュージカルWicked ウィキッドが大好きです。
 

 

 

 
オズの魔法使いは、ドロシーの視点で描かれたもの。
そして、このウィキッドは、西の魔女の視点で話が進んでいきます。
 
西の魔女が、どうして悪い魔女として生きているのか、
その裏ストーリーとなっているわけです。
 
 
 
 

人も動物も同じ言葉を話し、共に暮らしていた自由の国──オズ。
平和なこの国にいつしか異変が起きていました。
動物たちが、次々と言葉を話せなくなっているのです。
しかし大多数の国民は、その事態に気付いていません......。

 

全寮制のシズ大学に入学してきたエルファバ。
特異な緑色の肌のため家族に疎まれ、周囲の学生たちとも馴染めずにいた彼女は、偶然と誤解からグリンダと同じ部屋に暮らすことになります。

 

見事な美貌とブロンドの髪を持つグリンダは、天性の明るさを備えたクラスの人気者。
一方、思索的で激しい気性のエルファバは、生まれながらに不思議な魔法の力を持っていました。性格も外見も異なる二人は、はじめは対立するものの、 次第に互いの内面を理解し合い友情を育んでいきます。

ある日エルファバの元へ、この国の支配者にして強大な魔力を持つと言われるオズの魔法使いから招待状が届きます。

 

グリンダを伴い、魔法使いの住むエメラルドシティを訪れたエルファバは、緑色に輝く大都会の素晴らしさに感激しました。
偏見のない、自由な空気に包まれた憧れの都に、自分たちの居場所を見つけたことを2人は喜び合うのでした。

しかし、宮殿を訪ねた二人は驚くべき事実に遭遇します。
エルファバがずっと憧れていた「オズの魔法使い」こそが、自分の権力を強化するために動物たちの言葉を奪っていた、異変の元凶そのものだったのです。

 

陰謀の正体に驚き怒ったエルファバは、動物たちを解放するために闘うことを決意。
「魔法の書」を奪って空高く飛び立ってしまいます。

真相を見抜かれた「魔法使い」は、国民を駆り立てエルファバを「悪い魔女」に、そしてグリンダをオズの国を救うシンボルに祭り上げるのでした。

 

心ならずも正反対の道を歩み始めたエルファバとグリンダ。
怒り狂った群衆たちの魔女狩りがエルファバの身に迫ります。
互いを思いやりながらも、自らの信じる道を貫くため二人はある決意をするのですが……。

 

劇団四季のサイトより。

 

 

 

あらすじをザッと読むだけでもわかるように、

物語の中に

動物愛護や、肌の色による偏見差別など

私たちの日常にあるような問題提起が、

説教くさくならない程度に匂わせてあります。

 

 

すごく考えさせられるのは、

全く対照的な2人の女性の生き方とその友情。

 

 

不器用に、そして頑固に自分の意思を貫くのを良しとして生きるのか、

または、そうやってでしか生きていけないのか

 

逆に、

みんなに好かれること、人気者であることが最も重要で

長いものに巻かれるように生きていく、

うまく自分自身や周りと折り合いをつけられる賢さ

 

このあたり、映画『追憶』を思い出しますね。

 

 

その上、1人の男性をめぐる三角関係まであります!

 

 

 

 

そして、これが最大のテーマだと思うんですが、

「正義とは何か」

 

ドロシーには、ドロシーの(オズの魔法使い本編)

西の魔女には、西の魔女の(Wicked)

正義があると教えてくれます。

 

 

戦場のメリークリスマスのラストシーン、

Mr ローレンスが、原(ビートたけし演)に

死刑宣告を伝えにきた時につぶやく一言

You are the victim of men who think they are right

 

この一言も、Wickedと同じ主題ですよね。

 

 

武力紛争だけでなく、

米大統領選やBrexit、大阪都構想、スコットランド独立など

民意が真っ二つに割れるような議論を考える時に

「正義とは何か」を

Wicked やMrローレンスのセリフを思い出しながら考えます。

 

 

 

 

さて、 Wicked ウィキッドがすごいのは、

これだけの深い深い主題を盛り込んでおきながら

なおかつ、

しっかりと本編のストーリーをからめているところです!

 

なぜ、ライオンが臆病なのか

なぜ、ブリキの木こりはハートがないのか

なぜ、カカシはカカシなのか

 

 

 

こういう、本編がしっかりあったり、

歴史の通説があった上で、

その裏ストーリーを描いたものって、面白いですよね。

 

今、パッと思い出すのは、

宮部みゆきの『震える岩』とか

隆慶一郎の『影武者徳川家康』とか。

 

 

 

Wickedのストーリーそのものは、

これまで見たミュージカルのどれよりも面白かったし

毎回見るたびに、新しい発見があるんですが

4回見ました。ロンドンのミュージカルは当日券、お席、時間帯によっては激安です。映画よりも安く見れるかも。

 

オペラ座の怪人や、レミゼラブルと肩を並べられないのは、

やはり、楽曲に問題がある気が...

キャッチーなのに、頭に残らないメロディー...

 

残念。

 

 

あとは、本編のオズの魔法使いのお話をしっかりと理解していないと

楽しめないのも、ハードルを上げていると思います。

 

 

 

 

 

って、これくらい思い入れがあって

ハロウィンの仮装をしたのに、

 

実家の母に写メを送ったら

「今年はみんなで吸血鬼一家ね!」

 

そして友人からは

マモー・ミモーのコメントくるし

 

笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

 

 

機会があれば、

ぜひ ウィキッド、ご覧ください。

グッグッ