人の数だけ家族の姿 …
これが、地域による習慣なのか
それとも斎場による設定なのか
私には何も分からないままで
ゴリ君のお父様の葬儀の前に
「親族の集合写真の撮影」があったのですが
初めての経験に戸惑ったそれで
私には不思議に思えることがありました。
祭壇の前に並べられた椅子の真ん中に
喪主であるゴリ君とお母様が着席させられ
その両横に、お父様との関係が濃い順番に
座っていくようにという説明がありました。
椅子が満席になった後の親族は
後ろに立って並ぶようにとのことだったので
私達は一番最後に端っこの方に
遠慮がちに立たせていただいたのですが
駐車場ですれ違った時に
誰かも分からない状態で会釈をした私を
完全にスル-して無視して行った
ゴリ君の弟嫁さんのご両親だった方が
ゴリ君母の実姉妹より先に、前に出て行ったのが
最初の「 え? 」
気が付くと、私たち夫婦と次女の横に立っていたのが
ゴリ君の弟さんの子どもを、それぞれが抱っこした
チビブ-とイモブ-だったので
この子たちは親と並んで前に座るべきだと
私達の前の椅子に、手ぶらで座っていた弟嫁さんに
横の椅子に一人で座っていた三男さんを抱っこして
ここ ( 一つの椅子 ) に、チビブ-とイモブ-を
座らせてもらえないかとお願いをした次女に
戻った返事が、短く一言。
「 三男は、抱っこされるのが嫌なんです 」
我が子を抱いてくれている、義兄の子達を後ろに立たせて
自分たち親子が前に座っていても平気な感覚に
二度目の「 え? 」
やがて始まった葬儀では
ゴリ君弟の一歳になるという赤ちゃんが
最初から最後まで、ず-っと愚図りっぱなしで
お経が聞こえないほど泣いているのに
弟嫁さんのご両親は、その子を一切
抱こうともしないで知らん顔。
終わった後に、次女がボソッと言いました。
お嫁さんも困っていたのだろうし
親が抱っこして、外に連れて出てあげたら良いのに
本当に何もしない親なんだね…。
火葬場でも愚図るので、見かねた次女が一歳を抱き
私が三歳の子を抱いてあげたのですが
それでもお嫁さんの親は、知らん顔。
後から長女が教えてくれました。
弟嫁さんのご両親は、本当は通夜にも葬儀にも
来られるつもりはなかったことを。
私達が来ていることを知って
急遽、葬儀にだけ顔を出されたのだと。
義理とはいえ、子の親が亡くなったのに
葬儀に来る気がなかったことに
三つ目の 「 え? 」
祖父との別れに、泣き叫んで悲しんだ長男の子達と
最初から最後まで一滴の涙も流さないで
席に着くなり勝手に蓋を開けて
お弁当を食べ始めた弟さんの子達の姿に「 え? 」
そして葬儀後の諸々や、お母さんのお世話を
全部、兄に丸投げをして
昨日の夜には帰宅をしたという弟さん家族に
「 え?え?え? 」
「 天翔ける 雄の子に育てと願いつつ
新し命に〇〇と名付ける 」
○○が生まれた時に歌った駄歌です。
結婚して七年目に生まれた
私達にとっては大切な宝でした。
これは、長女との結婚式の時に
ご両親が寄せてくださった
お礼の言葉の中の一文です。
責任ある職に就かれていたので
我が子が熱を出した時にも休めなくて
子を独り家に寝かせて出勤し
昼休みに顔を見に戻るような生活で
子ども達には可哀そうなことをしたのだと
私にも話してくださったご両親でしたが
こちらが、結婚式の日にゴリ君が寄せた
親に対する言葉となります。
「 熱で休んで、昼休みに急いで顔を看に戻ってくれたり…
寂しいこともありましたが、最近特に
両親の方がどんなに辛かっただろうかと
苦労が分かるようになりました。
忙しくても僕の話をちゃんと聞いてくれて
幼いなりにもキチンと説明をしてくれて
両親の愛情をいつも感じて今日まできました 」
お父様。雄の子に育った息子さんは
妻の誕生日には、赤いバラの花束を贈ったという
父親の背を見習って、今は私の娘のことを
大切に守り、子にも愛情を注いでくれる
立派な夫であり親に育っていますから。
ただ一つ、私から文句を言わせていただけのるなら
チビブ-の結婚式に出るまでは
意地でも長生きしましょうと
この三月に、私とした約束を
守ってくださらなかったことですが …
今日、長女から届いたLINEに一言
「 銀行口座凍結問題 」とあったので
あるあるだね~と返信したら
どうしてこんなにややこしいことを
するのだろうかと戻ってきたので
「 それは兄嫁様親子のような人がいるからだ 」と返したら
「 そういうことねー 」で完結した、私達でしたが
弟家族への愚痴一つも吐かないで、黙々と動いている
この子達なら、きっと夫婦で協力しながら
お母様のことも守ってくれると思えますから
どうか安らかにお眠りしてくださいと
感謝の気持ちが溢るる今宵 …