はいはい
そんなわけで鹿児島出張から帰って来たんですが
道中、ずーーーーっと新人Aくんが喋ってて
ハイエースの車内がうるさいのを良いことに
後部座席の二人は聞こえんふりを決め込んで
僕は延々と『米』について熱く語る彼に相槌を打つ係
聞いた話し、彼の実家は山と農地しかないど田舎で
小さな田んぼに水引いて
自分達が食べる分だけ米を作って生活しとるそうで
新人Aくんも基本的に親から送ってもらう米しか食ってないそうなんですが
まあ、彼の田舎だけかもしれませんが
今は米を作ってもまったく儲からないそうで
どちらかっつーと赤字というか
作るなら10町とかを本気でやらないと金にはならない
なので、新人Aくんの中学のときの友人とかは
ある日突然会社勤めを辞め農業マンになり
ガチで実家の農家を継いでめっちゃ稼いでいるそうで
新人Aくんもお金大好き人間ですから
ええなぁええなぁっちゅうて
捕らぬ狸の皮算用的な発想で
なんかこう、ブランド米でも開発して一儲けできんかいな?
耕すの大変やけん4反くらいでなんとかならんかいな?
とりあえず名前だけでも考えておこうと
「キヌヒカリ」とか「コシヒカリ」とか「ヤマダニシキ」とか
そういう既存のブランド米の名前を出しながら
パンチがあって旨そうな名前がええなと助手席で考えとるわけです
しかし着物の生地をベースにするというところから全く離れられず
「キヌなんとか」とか、「なんとかヒカリ」ばかり言うてて
それでいて
「誰も考えんような名前にせんと!」と
仕事の時より真剣な顔して「うーん」と腕を組み
僕もあんまし口出しするのもあれだなと思いながらも
つい「可愛くて親しみやすい名前が良いっちゃない?」つったら
今度はまさかまさかの『姫』縛り
「お姫様もイチコロなほど美味いという意味で
『ヒメゴロシ』
はどうっすか?」
「いや、食い物に“コロシ”が付いちゃいかんやろう」
うん、そらそうだよなという感じで、今度は
「『姫&殿』はどうです??
お殿様もビックリっていう意味で」
「デュエットかヒロシ&キーボーみたいになっとるやん」
そっかそっか、ケイゴさんはモロ昭和生まれだったなと
「ったら、乙女の初々しさを込め
『姫初め(ヒメハ○メ)』はどうです???」
「ボケコラ!新年に何かが始まっとるやないかいタコ!」
ってことで
良いところまで行ってたんですけどね
彼は「ちょっと考えたらわかるやろ」が苦手なので
実家の田んぼでジャンボタニシでも育てて
佃煮でも作って売るよう勧めておきます