次男3歳は

私の前でだけ見せる顔がある。

 


一部を切り取ると、

小さなことですぐ怒る。

 

ときどきそのまま癇癪を起こす。

 

ご飯を食べる・着替える・靴を履くなどの

ちょっとした手助けは全て

〝ママじゃなきゃダメ〟

 

パパが代わってくれようとすると

『パパ!あっち行って!!』と怒る。

 

私が少しでも怒った顔をすると、すぐ泣く。




 


 

反対に、機嫌が良いときは

 

走り回ったり、パパやママに突進してきて

大人でも身構えるほど。

 

危ないからやめなさいと言っても

基本的にスルー。


ヒヤヒヤしながら見守る中

転んだり、ぶつけたりすると

ママにブチギレる。

 

遊んでいる時は

〝全て自分のモノ、ママのモノは俺のモノ〟

ジャイアン的な振る舞いをし、

 

夜寝るときはママの腕枕が必須で

す〜っと腕を抜くと3分以内に起きる。

 

 


 


 

普段は保育園に行っているので

お友達や先生に迷惑をかけていないだろうか?

と心配になり、あるとき担任の先生に相談をした。

 

 

すると、保育園では

 

ひとりでご飯を食べられるし

お昼寝パジャマにも着替えるし

 

朝・帰りの支度も

率先して自分でやる。

 

お散歩のときは

ペアのお友達と手を繋ぎ

列から離れることはないし

 

お昼寝前の絵本の時間や

上の年の子達の発表を見る時なども

座ってじっくり最後まで見ている。

 

仲良しのお友達が泣いていると

心配して励ましたり、

おもちゃを貸してあげたりするそうだ。

 

 


先生が「外で頑張っている分おうちでママに甘えてバランスをとってるんじゃないですか?」と、やさしくアドバイスしてくれて、ホッとしたものの

 

 

母も人間なので

付き合いきれないときがある。

 

 

一緒にいると四六時中

機嫌に振り回され、

八つ当たりされ放題。

 

 



 


まぁ今だけかと思いつつもしんどかったある日、

ネットで【3歳 ママに当たる】のような言葉を

検索したことがあった。

 

 

読んでいて、これ読んだお母さん

「私が悪いから子供がこうなってる」と

更に落ち込む人いそうだなと思いながら

自分も落ち込みつつ読み進めるうち

 

ひとつだけ、ホッとする文調の記事を見つけた。

(URL失念してます、すみません)

 

 

その中に「3歳ですでに、人前で涙を見せないよう辛抱したり、泣かないと決めている子がいます」という内容が書かれていた。

 

そのような自覚があるため

外でがんばってしまうから

 

ママの前で自由奔放になったり

ワガママになったりする、という内容。

 

そのときは「まさか、次男に限ってそんなことはないだろう」

と思っていたのだけど・・・。

 

 

 


 


大阪出張に次男を連れて1週間あまり

毎日びっしり一緒に過ごして

 

帰ってからはじめての保育園の日。

朝から「ホイクエン、イカナイ!」としか言わないロボットみたいになった次男(笑)

 

 

「今日はパパとママお仕事だけど、明日はお休みだからいっぱい遊ぼうね」の言葉に聞き分けてくれて

 

スムーズに支度をし、保育園に到着。

 

 

年中さんは2階なので

一緒に手を繋いで階段を登っているとき

 

次男が突然に立ち止まり

静かにポロポロと涙をこぼして

自らその涙をぬぐっていた。

 

まるで、先生やお友達のいる教室に着く前に

自分を落ち着かせるように。

 

繋いだ手を握る力が

ぎゅっと強くなった気がした。

 

 

時間にして、ほんの数十秒のことだったが

「よし。」と気持ちを切り替えるような瞬間を見た。

 

そして、また小さな体で

一段づつ階段を登って、教室に着く頃には

いつもの次男の表情に戻っていた。

 

 


 


その様子を見て

ものすごく胸が締め付けられた。

 

果たして、あのネット記事のように

泣かないと決めているのかはわからない。

 

でも、教室についてから

先生の前で「行きたくない」と

泣くことだってできたはずなのに

 

どうして人目のないところで

静かに泣いて、涙をぬぐってから

教室に向かったのだろう。

 

 

 

教室に入る前、

いつも通り自ら手洗い・うがいをし

登園バッグを所定の位置へ。

 

少し照れた表情で

担任の先生と共に教室に入ってゆき

 

私がその場を離れようとしたとき

次男がクルっと振り返って

一瞬ママの顔を見た。

 

 

その表情が

ちょっと寂しそうな顔をしていて

私の方が「今日は帰る?」と

言ってしまいそうになったのだけど

 

お友達の方を見て

一瞬でニコっと笑顔を作り

輪の中に入っていった。

 

 

一連の出来事が忘れられず

帰り道でおいおい泣いた。

 

そうか。次男は1歳から保育園に入り

もう既に社会環境で生き抜いているのか。

 

なんて、勇敢なのだろう。

次男も、教室にいるあの子も、この子も。

 

 

 


 


 

最近は特に手がかかるので

私にとっての次男は「ママと一緒にいるときの姿」が

100%本人の性格のように認識していたけれど

 

振り返れば、もっと早くから

よく周りを見ていて

空気を読むところがあった。

 

 

わたしがおしんを見て

おいおい泣いていると

サッとティッシュを差し出してくれたり

 

泣いている赤ちゃんを見かけると

一瞬で真顔になって

心配そうにしていたり

 

塾や部活で兄の帰りが遅い日に

部屋にいないことがわかると

「にいに遅いね。どうしたのかな。」と

気にかけたりする。

 

 



 

いろんなことに図太くなって

私には見えなくなった細かなことが

 

次男にはしっかり

見えているのだ。

 

 

彼のまっすぐな眼差しの先にある

つぶさな出来事のひとつひとつ。

 

 

「ママ?見て!?」と全てを

共有しようとすることも

 

ほんの数時間離れることに

ものすごい寂しさを感じてくれることも

 

 

大人の感覚では

「大したことない」と通り過ぎてしまいそうなことに

 

体いっぱいで喜び、悲しみ

驚き、感動し、まっすぐに怒る。

 

 

 

次男がママにだけ見せる顔は

真っ直ぐな愛。

 

 

この真っ直ぐな愛を

大きく手を広げて

ぎゅっと抱きしめられる

お母さんに、私はなりたい。

 

 

 

この記事を

夫に心配されるくらい

大泣きしながら書く、わたし自身と


育児に奮闘する全てのママへ贈ります。