モノを捨てられない理由にもいろいろあります。

 

友人の前や知人の間では、歳だから片付けが大変でなんて大義名分を並べますが、実のところ“もったいない”が一番多い理由です。

 

わたしも少しでも取り戻そうと躍起になってしまいがちです。

 

ただ、躍起になればなるほど過去に執着することになり、今がおろそかになります。

 

過去をすぱっと断ち切って、すっきりするためのアドバイスです。

 

 

 

サンクコスト(埋没費用)の回収を諦める習慣を持つ


サンクコストとは、すでに支払ってしまい、取り返すことのできない金銭的・時間的・労力的なコストのことで、埋没費用とも呼びます。

 

過去に費やしたお金や動力、時間などを惜しんで、それが未来の意思決定に影響を与えることを、サンクコスト効果と言います。

 

何度かブログでも紹介していますが、サンクコストはタイムマシンを開発して過去に行き買うことをやめない限り、絶対的に回収することは不可能です。

 

メルカリで売って多少のお金が返ってきたとしても、それは別の話であり、購入した費用や労力や時間を回収したことにはなりません。

 

モノだけで考えずに、イベントとして考えるとわかりやすいと思います。

 

引越しをする際、業者を予約したのに、当日身内に不幸があった。

 

キャンセル料が発生するけど、さすがに身内に不幸があったときに引越しを実行する人はまぁいませんよね。

 

キャンセル料は仕方のないことだと思って支払います。

 

このように極端なことが起きるとサンクコストの回収を諦められるのに、そうでないと諦めがつかず、いつまでも過去支払ったお金に執着して、今や未来をおろそかにしてしまう。

 

モノは持っているだけでは損していないと感じるかもしれませんが、保管にも費用がかかったり、潜在意識の片隅に「あれをどうにかしたい。」というささくれみたいな感情が残り続けるので、実際損しています。

 

今、命を取られてでも死守したいモノか?と身内に不幸があったように考えると、ほとんどのモノが命より大切ではないことに気づくと思います。

 

サンクコストの回収に躍起になるかならないかは、習慣のようなものですので、1度サンクコストの回収にそこまで体力や思考を使わないと決めてしまえば、だんだん回収しないことが普通になってきます。

 

 

 

冷静に俯瞰して物事を見ないと、どんどん事態は悪化する

 

先日、ネットショッピングで悪徳業者に引っかかってしまい、使い物にならないノートパソコンを買ってしまいました。

 

返品に応じてくれず、2週間くらいショップに振り回されたのですが、問題の渦中にいるときは、支払ってしまったお金を何とか取り戻そうと躍起になっているから冷静な判断ができず、交渉も上手くいきませんでした。

 

イライラが募り、自分の感情をどうコントロールしたらいいかわからなくなってしまい、ある人に返品できない場合どうする?と尋ねたら「あ、返品できないんだ、と思うだけ。」という答えを貰い、目が覚めました。

 

『無理なものは無理なときがある。』と受け入れるだけで、気持ちは非常に楽になると気づいたからです。

 

冷静になると、返品できないにしても、返品に値する商品だと相手に伝えるためにはどうしたらいいかということに集中するので、案外すんなりと返品できることになりました。

 

過去に執着すればするほど、今や未来がややこしくなると思っておくといいでしょう。

 

さすがに100万円のバッグを売らずに捨てようとは思わないので、ある程度はリサイクルショップやメルカリやヤフオクを使うけど、自分の日常を乱雑にしてまでお金を回収しようとは思いません。

 

ストレスになるくらいの分量になったときは、思い切ってフリマで一掃した方が、得することになります。

 

昔、コンサートチケットをヤフオク詐欺で買ってしまったことがありました。

 

11万円くらい損したのですが、20代だったわたしはそんなにショックを受けず「やられてしまったね~。」と笑い話にしていました。

 

今回4万円のノートパソコンで躍起になっている自分を俯瞰して見て、ことごとく長く生きることでつけてしまった無駄な執着心を目の当たりにすることになりました。

 

20代の11万円の方が、39歳の4万円より痛いはずなのに、騙されたもんは騙されたもんと割り切りが早かったということです。

 

自分は潔い性格だと思っていても、そのときの環境や気持ちや取り巻く人の考え方によって多少は影響を受けていくものです。

 

サンクコストの回収に躍起にならないという言葉を、定期的に自分に投げかけると持続性が生まれます。

 

ちなみに躍起にならなかった11万円は、法廷に行かずの裁判で無事に返ってきました。

 

他にも被害者がいたか何かでしたが、詳細はもう記憶に残っていません。

 

過去の失敗なんて未来からするとそんなものです。

 

 

 

将来サンクコストになりそうな買い物をしないことを心がける

 

今、知人が身の丈に合わない不動産を買っている最中です。

 

数人で、高すぎるのではないかとアドバイスをしたけど聞く耳を持たないので、仕方がありませんが、5年後か10年後に高すぎ高いモノだったと愚痴を聞かされることが容易に予想できて、ちょっと憂鬱です。

 

サンクコストが回収できないことを腹に据えて納得しモノを手放し始めたら、余計な買い物をしなくなるという相乗効果が起きます。

 

捨てること、手放すことに、異様なまでの体力と精神力を使った経験が買う時のストッパーになります。

 

家もモノも同じで、買った後のメンテナンス費用(家の場合固定資産税や改修費、洋服の場合ナフタリンやクリーニング代、家具の場合処分するために運び出す苦労)を知れば、容易に家にモノをポンポン入れ込むようなことはなくなります。

 

何かを手に入れるときはアドレナリンが出ていて、起きるとわかっている未来を見なかったことにしがちです。

 

見てみぬふりして手に入れたモノやコトは、ちゃんと最初のセンサーに引っかかった通りの結末を運んできます。

 

買うときに、手放す時のことをイメージするだけでも買いすぎる暮らしから距離を取れます。

 

レジに並ぶ前に、それを処分している自分を想像してください。
 

 

 

 

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