夜。

 

ピアノのレッスンが終わったところを先生に呼び止められた。

 

 


「え、コンサートですか?」


「そうなの、今度の日曜日。

池袋の劇場でやるんだけど出演予定の子が1人急に法事が入っちゃったのよ。

穴をあける訳にもいかないからだったらカナメちゃんにって思ったの」


「先生がいいなら私はかまわないですけど…」


「そう!?よかったわ、カナメちゃんなら安心して任せられるから」


「ハードルあげないでくださいよー。

けどコンサートまであまり時間がないですね。

とりあえず曲目あげますので後でチェックしてください」


「わかったわ。

身内でやるコンサートだから堅苦しいものじゃなくていいわよ。

じゃあよろしくね、カナメちゃん」


「はい」

 

 


外に出たところでケントから電話がきた。


「もしもし?」


『カナメ、終わった?』


「うん。ケント、今どこにいるの?」


『渋谷のスタジオ。飯どこで食う?』


「どこでもいいよ。何が食べたいの?」


『オレ、肉食いたい!ハンバーグ!』


「OK、じゃあ神宮のGOLDで待ち合わせね」


『うぃーっす』

 

 


電話をきると私は駅に向かった。