岩村城縄張り図
岩村城の石垣
岩村城にはいろいろな種類の石垣を見ることが出来ます。
石垣は石の加工により、野面積み、打ち込みはぎ、切り込みはぎの三種類があります。
野面積み〈田丸城〉
一、野面積み
自然石を積み上げたもので、慶長期以前によく見られました。余り高い石垣を築くことは出来ませんでしたが、水はけがよく意外としっかりした積み方です。自然石を積み上げるだけなので、短時間に築くことが出来ました。戦に追われた戦国時代は短時間に普請〈石垣や堀を掘る土木工事)を済まさないといけないので、ほとんどが野面積みでした。
打ち込みはぎ
二、打ち込みはぎ
安土城以降の城に見られる石垣で、石の表面や、四隅を加工したもので、野面積みよりも石の隙間が密着し、高く急な勾配の石垣を築くことが出来ました。築城の全盛期である慶長期の城によく見られます。短時間に築くことが出来、大坂の陣〈1614~5年)を控えた慶長15年〈1610年)に築かれた名古屋城は、わずか九ヶ月で普請が終わりました。
切り込みはぎ
三、切り込みはぎ
表面だけではなく、四方を加工した石を整然と積み上げたもの。打ち込みはぎよりも高く急な勾配の石垣を築くことが出来ました。石垣の隅には算木積みという長方形の石垣を交互に積み上げるやり方を用いますが、その技術が発展したもので、きわめて手間暇のかかる積み方で、時間に余裕のある大坂の陣後の元和以降に発展しました。江戸城の天守台、枡形門や大坂城などによく見られます。
算木積み
切り込みはぎ、布積み
切り込みはぎは、整然と横に目地をそろえ積んでいく布積みが使われます。他には六角形の石を用いる亀甲積みがあります。
打ち込みはギヤ野面積みでは、乱積み(らんづみ)が使われます。
石垣は大雨や地震などで崩れることが多く、そのたびに修繕しました。その時期によって石垣の工法がが変わってきて、打ち込みはぎや切り込みはぎなどといった積み方をします。
岩村城は小さな城ですが、整然とした見事な石垣を見ることが出来ます。