「なんっか今日もお腹痛いとよね〜」

と平気な顔して言う息子。

もうその手は食わんぞ。

たまたま出勤前の夫が居たので「すみません大先生!ウチの子がお腹痛いらしいんですけど診て頂けませんか?」と言って夫に丸投げすることに。

夫も話に乗っかり「どれどれ、坊や。ちょっとお腹を診せてもらうよ」と息子のお腹を撫で回し、深刻な表情に。

「奥さん!この子の病名は…胃がんです!」

えっ?息子が…胃がん?

大先生!息子は助かるんでしょうか?

大先生ー!!

完全に冗談でやってるのに「がん」というワードに引っかかる息子。

「えっ?胃がんって何?」

「大丈夫!お腹をこうやってメスでスーッと割いてね、がんを切ってね、針と糸で縫い合わせたら治るから」

朝の切迫した時間帯、そして白熱した我々の演技に完全にやられてしまった息子。

「嫌だー!」

泣き出してしまいました。

しまった、やりすぎた…。

笑いが止まらないまま家を出る夫、残された胃がん疑惑の子供とその母親。

とりあえずキミはがんでは無いと説明し、あれは冗談ですと言って息子を安心させました。

しかし騙された怒りと学校へ行きたくないという気持ちがトルネードになってしまった息子。

加えてもう時間的にも遅刻です。

マジか〜。

今日こそ映画を観に行けると思ったのに。

てゆーかそれよりも嘘電話2日連続はつらい!

その時、夫からメールが。

『息子は学校へ行きましたか?』

行ってねーよ、お前のせいだぞコノヤロー。

とは言えないので『今日もサボりになりそうです』と返信。

すると『何か理由があるのかな?』と。

確かに。

息子はハッキリした性格で、ただ何となく休んだりすることは少ないのです。

昨日は多分本当に(ウンコで)お腹痛くて、遅刻しそうだったからそのままサボりという流れは理解できる。

でも今日の様子は不自然やな。

どれ、ちょっと時間割を確認させてもらいますよ。

すると、火曜日3〜4時間目、図工〜!

しかも息子の最も苦手とするお絵描きやないの。

何ちゅう分かりやすい性格!

いつもは「今日図工があるから休む」って言うんだけど、昨日も休んだし、その罪悪感で言えなかったのだろうか。

可愛い奴。

ようやく理由が分かった私は息子に話しました。

今日の図工は休んでもいいよ。

ただどうせ後でやらないといけないから(結局休み時間とかにやらされる)、今日の昼休みにでも先生に画用紙をもらいに行って、お母さんと一緒に家で描こうか?

すると「昼休みに行くならそのまま5時間目は行きたいなぁ」と言う息子。

5時間目は大好きな算数でした。

もちろんいいよ!(むしろ是非行ってくれ!)

話し合いが済むと先程の嵐が嘘のように落ち着きを取り戻した息子。

午前中は2人でダラダラして過ごし、お昼ご飯は小学校のすぐ近くにある回転寿司に行くことになりました。

ココだったら食べてすぐ学校に行けるから便利だね、と言いながらランドセル姿で寿司屋に入る息子。

シュールな姿が笑いを誘います。

「昨日は本当にお腹痛かったんだけど、今日は嘘やったとよね〜ふふふ」

安心しきった顔で本音を漏らしました。

大好きなお寿司を食べて、昼休みの時間になったので一緒に学校へ向かいました。

教室が近づくにつれ「あ!〇〇くん!今来たと?」と友達が寄ってきました。

初めての遅刻。(しかも大幅な)

最初は不安で私から離れなかった息子ですが、友達が近寄ってくると自然と私から距離を置き、最後は振り返りもせず教室へ。

ああ、こうやって私の子育ては終わっていくんだなあ。

何とも言えない感情と、真っ白な画用紙を小脇に抱えて家路につく私なのでありました。

ようやく落ち着きを取り戻した自宅で私は映画の上映期間を調べてみました。

すると「男はつらいよ」の上映は明日までとのこと。

うわー!危なかった!

確か明日は図工無かったはず。

明日こそ行かなければ…!

そして翌日。

「今日はお父さん、会社サボりまーす」

今度は夫!?

もーいいかげんにしろ!

③に続きます。