「今日はお父さん、会社サボりまーす」

朝ご飯を食べていると、今度は夫が突然こんなことを言い出したのです。

聞いてみると昨今の働き方改革で会社側から休みをとれと言われたらしく。

昨日言えよ。

あのねぇ、世の中のお父さん方が今ネットでめちゃくちゃ叩かれてるの知ってんのかな?

「休日に家でスマホいじってるだけなら稼いできてほしい」

「夫が無駄に休むとかえって妻の仕事が増える」

とか言われてるんだよ。

養ってもらってる立場で言いづらいけど、思わず「そうだそうだ!」って共感してしまうんよね。

という本音は心に閉まっておいて。

「え?私今日映画を観に行くからお昼ご飯とか作れんのやけど…」

「うん知ってる。
寅さんの上映、今日までやったろ?
もしかしたらアイツ(息子)が今日もサボるって言うかもしれんやん。
オレが居れば映画観に行けるやろ?」


今、何て?

「確か9時上映のが最終やったよ。
行っておいでよ。」


ア、アンタ〜!

さっきの本音は取り消し!消去消去!

そう!私の夫はこういう人間なんです!

昨日のうちに言わないのだって、私に余計な仕事を増やさせないため!

世の中の腐れイクメン達よ、我が夫の爪の垢を煎じて飲むがいい!

もう自慢でしかありませんが、私の夫はめちゃくちゃ気遣いのできる奴なんです。

しかもそれが恩着せがましく無いっちゅーのが私的にはめちゃくちゃポイント高いっ。

若い頃は男関係には本当に苦労したけど、この婚活激戦区福岡の地で最高なハイスペ夫をゲットした私、よく頑張った!

その日、息子はすんなりと学校へ行きましたが私も安心して映画館へ足を運ぶことができました。

いつもは息子と一緒にドラえもんとかクレヨンしんちゃんとかの映画を観に来るけど、自分の観たい映画を観に来るなんて何年ぶりだろうか?

久しぶりに見る大好きな寅さん。

私、渥美清のセリフの言いまわしが好きなんよね。

全部覚えて真似したいくらい。

口から出る全てが明言。

そして源公にも会えました。

相変わらず寺の鐘を突いたり、画面の端っこで変な帽子を触っていたり、可愛い奴でした。

ネタバレになりますが、泉ちゃんのお父さんが満男に金をたかるシーンがあるんですよね。

その泉ちゃんのお父さんを演じる橋爪功のボケた演技がめちゃくちゃ上手い!

私はそのシーンに笑ってしまったけど、そこを真面目な感じで演出する山田監督のやり方がまた好き。

最終日ということもあって座席にはチラホラとしか人が座っていませんでしたが、エンドロールではグスングスンと鼻をすする音も。

また明日から頑張ろうと思える最高の映画でした!

世の中の男はつらいし、今は女もつらい。

強いて言うなら子供も年寄りも、今の日本はみんながつらい。

私も専業主婦という世の中的には気楽な立場だけど、時にはつらいこともある。

そして、そういうつらいときに寅さんの言葉を思い出すのです。

 「何というかな
 ああ生まれてきて良かった、
 そう思うことが何べんかあるだろう。
 そのために生きてんじゃねえか。
 そのうちお前にも
 そういう時が来るよ、な?
 まあ、がんばれ。」


今夜は美味しい晩ご飯を家族に作ってあげよう。

ああ生まれてきて良かった、と思えるくらいの美味しい晩ご飯を作ってあげよう。

そう思いながら家に帰りました。