ミニが、どうやら目が見えないらしいと気付くのが

遅れた理由が、あるにはあったのだ。

 

先月半ば、左前肢と右後肢が動かなくなった。

椎間板ヘルニアによるもので、ビーグルには

多いですよ、レーザー治療を続けてみてはと、

獣医さんに勧められた。何回かの治療で、それは

確かに効果があったように思う。

 

歩かなくなったのは、だからそのせいだと思ったのだ。

でも、それだけじゃなく、ミニにしてみれば、周りが

見えないから怖くて足が前に出なかったという

こともあったのだろう。

 

レーザー治療が功を奏して足は動くようになったのに、

一、二歩進むと止まってしまう。縁石につまづいたり

歩道の段差を踏み外したり、座り込んで空を見上げる

のに私とは目が合わない。

 

目が合わないって…目が見えないってこと?

と、いうことになったのだった。

ノンキな保護者だと言われても、もっともだ。

 

目が見えないから、アジも大好きなプラー遊びもできない。

それならせめて、いつもの公園を歩くことはできるように

してやりたいと思った。慣れれば小走りぐらいはできる

ようになるかもしれない。

 

かつて、お行儀試験を受けるときに脚側行進の

レッスンでお世話になった訓練所の先生に相談

してみた。目の見えないミニを私に付いて歩かせる

ために私はどうすればいいか、レッスンをお願いした。

 

先生の返事は、レッスンは特にやることがないとの

ことだった。「信頼関係ですよ」と、おっしゃった。

見えなくても、この人といれば安心だとミニが思えば

付いてきます、って。

 

じゃぁ、私はどうすればいいのか。

 

まず、ミニには私がいつもそばにいるとわかってもらわなくちゃ

ならないので、公園を歩くときには鈴を鳴らすようにした。

アジの練習でミニの気が乗らないときには、とにかく声を出して

励ましながら走ったじゃないか、それで歩けばいいのだ。

 

今朝の公園。

いつものように貸し切り状態。

 

ミニが鈴の音を頼りにこちらを向いた瞬間、

「そーそー、こっち~おいでぇ~。じょーず、じょーず!」と、

声を掛ける。

ミニがトコトコと私の膝前まで来たところで「すわれ」の

コマンド。座ったらごほうび、を繰り返す。

脚側行進のように、私の脇に付いて歩く練習も繰り返す。

ミニはごほうびが出るので嬉しくないわけがない。

ずい分上手に歩けるようになったので、しばらくはこれを

続けてみようと思う。

 

だけどさ、やっぱりビーグルである。

におい嗅ぎは相変わらず念入りなのだ。