新型MINI F56用のエグゾースト・サイレンサーの開発状況 | “GIOMIC”ジオミック/パフォーマンスサロン
新型F56 MINI用のエグゾースト・サイレンサーの最終製品サンプルが仕上がりましたのでご紹介です。上の画像をご覧のとおりSTDモデルでは車両左側に大きくサイレンサーが横置きに配置されており、内部は隔壁構造で消音と耐久性能を高める設計となっています。参考までにRシリーズのそれでは同じく隔壁構造であるものの、これほどまで大型なサイレンサーにすることなく消音性能を達成していることから、F56の搭載エンジンの排気量アップはもちろんですが、レイアウトが後方排気に変わったことによる影響も少しはあるのではないかと思います。

パフォーマンス的な視点で排気効率を考えた場合、内部はストレート構造とすることが理想なため弊社でも当初は横置きレイアウトのままで内部をストレート構造にするなどの設計検討を重ねたましたが、最終的にはメインサイレンサーの手前にサブサイレンサーを設けることで消音と排気効率の向上を両立させることを実現しました。

メインサイレンサーの奥に見える筒状のものがそのサブサイレンサーです。メインサイレンサー本体部分はこれまでの製品同様にTig溶接を用いてハンドメイドで丁寧に仕上げています。

違うアングルからの画像がこちら。STDが横置きのため、タテ置きレイアウトへの変更に伴い、車両に取付ける際のマフラーハンガー位置を計算した設計を行っています。そして、このサブサイレンサーですが消音効果だけでなく、排気流速が高まる前の低回転域での適度な排気干渉を発生しトルクアップ効果を発揮する優れもの。その効果はトルクコンバーターとの異名を持つほどで、ストリートを中心とした速度レンジの低いシチュエーションではしっかりと体感頂けます。

このトルクコンバーターは、そのサイズや形状での微妙な変化があり、理想とする味付けを目指すうえでどのように設計するかを悩みましたが、車両特性に合うベストなスペックに仕上げることが出来ました。

出口形状は保安基準にも適合するφ90の2本出しのカールテール。冷間時及び温間時の出面を計算してのレイアウトです。真後ろからはトルクコンバーターは見えずに、小振りなメインサイレンサーだけがさり気なく覗くスッキリとしたスタイルに仕上げています。

製品には中間パイプも付属させており排気全体での効率アップはもちろん、加速試験を伴う新保安基準にも適合しているので安心です。既に量産には入っており10月頃のリリースを目指しています。


*製品名称:GIOMIC エグゾースト・サイレンサー for F56
*販売予定価格:¥142,000(税別)
*販売予定時期:10月上旬
*備考:新基準適合(AT/MT)