昨月末に沖澤のどか指揮京都市交響楽団によるリヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」の録音が発売されることが発表された。

そして翌8月にはフルシャ指揮バンベルク響による同作品の録音も発売とリリースされた。沖澤曰く楽団のシェフが任期中に取り上げるべき作品だが、言うまでもなく両氏は次代を担うとみられているところであり、本拠における足跡をたどる意味で意義深い比較になろう。

 余談として、次期チェコフィルのシェフへの就任が決定しているフルシャに、京都ープラハの姉妹都市の縁で京響を指揮してほしい、それに向けて取り組みたいというのが京響楽団長であり氏の都響時代を知る松井京都市長のXへの投稿である。

 

導入が長くなったが、3月の京響定期を振り返ることで音源が公開された後に当時の感想を参照できるようにしておきたい。

留保しておくと、私が聴いたのは本拠北山での1日目の定期(席は平土間中央からやや後方)であり、それ以降の西宮を含めて演奏の精度が改善されるべきことは当然であり、実際にそのような感想が散見された。リリースによれば録音はその1日目および2日目の本拠地での定期演奏会のものである。

 

 

全体を通しての感想は、構成も流石に将来を嘱望されるだけのことはあるという感じだが、しっくりこない箇所も散見されるというところである。並列でおこすと、①冒頭の"Der Held"での「発音」が不鮮明でオケの音も上ずって低重心でずっしりとこない.②響かないホールにして、ⅲ部,ⅴ部など緩徐的なパートのテンポが停滞気味. ③戦場での錯綜する様々な主題の交通整理.(④いつもはバランスよくなっている金管が安定しない.)①についてはプレトークでドイツ語を話しているかのような作品と語っていた割には平板、③もそうだが聴こえ方はは座席条件に大きく左右される。

一方、出色であったソロ・コンサートマスターの会田氏によるヴァイオリン・ソロは必聴だと思われる。再三申し上げている通り、この楽団の第一コンマスはこの方のみで良いというのがここ数年の所感であり、外向けの広報役に同等の称号(今年の格上げ)は全く不要であった。

 

なお、ポディウム周辺に(視認範囲で)4台のカメラが設置されていたが映像作品は無さそうな。