私のお気に入りの映画館シネマ e~ra は
ちょっとマニュアックだったり、ドキュメンタリーなどをよく上映します。
会員制でもありまして
10本ぶんの料金で11本見られるシステムもあり
平日は時間と小金を持て余している、いわゆる高齢者が集います。
会員は館長の私物であるDVDや本を無料で借りる事が出来ます。
私は会員ではないのですが先日映画を観た際に
中国映画のDVDを2枚お借りして来ました。
見た映画は名匠チャン・イーモウ監督、コン・リー主演の『妻への家路』
文化大革命の折に逮捕され、20年ぶりに逃亡の末、夫が帰って来た。
しかし、長く待ち過ぎた心労から夫の記憶だけが欠落した妻は夫の顔も理解できずに
来る日も、来る日も駅まで出迎えに行くストーリーです。
手紙を読んでくれる他人としか認識されなくても
献身的に彼女に尽くす彼は、ある日ピアノの前に座り思い出の曲を弾く。
一瞬、記憶が戻ったかにみえ、抱き合う二人。
と、同時に過去に恐ろしい目に会わせた男の顔が甦り
再び強く拒絶することになる・・・・。
と言う哀しい映画でした。
で、借りて来たDVDは
チェン・カイコーの『子供たちの王様』とチアン・ウェンの『太陽の少年』
言わずと知れたチェン・カイコーは中国映画の巨匠。
作品は『黄色い大地』 『覇王別記 わが愛』『北京ヴァイオリン』『運命の子』『始皇帝暗殺』等々
本当に大好きな映画ばかりです。
『子供たちの王様』も彼らしいゆったりした時間の流れの中に
微かな体制への批判と言った物が感じられて、なかなか良かったです。
チアン・ウェンは昔、『芙蓉鎮』や「『赤いコーリャン』と言う大作で主演をはたした人で
この映画は彼が初監督をした作品です。
やはり、背景には文化大革命があり、いわゆる不良少年たちのみずみずしいひと夏の思い出の映画でした。
以降、『宋家の三姉妹』、『関羽』、『ジャスミンの花開く』などのいい映画を何本も撮っています。
最近はこのようないい中国映画が少なくて寂しいです。
台湾や香港、韓国もそうだけどヴァイオレンスとラブコメが多くて
後にあまり残らない・・・・。