朝鮮王朝第15代国王光海(クァンヘ)の影武者として仕立てられ、
王宮に連れて来られた道化師ハソンが慈愛と威厳に満ちた誠の王より
王らしくなって行くさまを素晴らしい演技力でイ・ビョンホンが演じている。
清々しいオーケストラとともに、王の身支度が始まる。
高々と髪を結い、ひげを整え指の1本1本まで磨き上げる。
未だかって、このような場面を目にした事は無い。
暴君と言われた光海の朝が始まる・・・。
格調高く高貴な気分で見つめていると王は朝から怒り狂っている。
イ・ビョンホンは道化師ハソンと王の二役をため息が出るほど見事に演じきっている。
後姿だけで、王なのか、偽物なのか分かってしまうほどだ。
初めて見る王宮の暮らしに戸惑いながら
言葉使いから身のこなしまで本物の王が乗りうつったかのように
変って行く過程が見ものだ。
前半は笑い炸裂なお下の話があり、やがて涙と感動が・・・。
衣装はもちろん、家具調度品・小物までもが豪華で、
玉座や宮殿内外の情景、特に夜の宮廷内は息をのむほど美しい。
観終わった後、今すぐもう一度見たいと思う映画はそれほど多くない。
この『王になった男』
韓国映画ファンでない方にもお勧めです。