樋口修三の『ミオ・パトローノ』をやっと読み終えた。
『最後の恋文』という副題が付いているけど
ミオ・パトローノとはイタリア語でパトロンと言う意味だそうだ。
腕利きの家具職人と
その後援者であり、
高級家具ショップのオーナーである年長の美しい女性
そして幼少の頃から慈しんで来た年若い女性の物語。
決して三角関係ではなく素敵な人間関係の3人。
美しく成長したオーナーの姪、茜は信頼からいつしか家具職人の村野を密かに愛するようになる。
年の離れた少女をかげとなり、日向となって見守り続ける彼もまた
決して口には出来ない恋心を抱き続ける。
金持ちの行動的な男と冷静な村野を比べ、
好奇心から性癖のあるこの馬鹿男と付き合い、
深く傷ついた彼女を
村野はオーナーの名を借りて茜をイタリアへ留学させる。
かつて、オーナーの阿見子から庇護を受けたように
愛しい茜が思い切りガラス工芸に打ち込めるよう
全ての費用を村野が用意した。
製作のデザイン画に悩む茜はベネツィアの地から
村野に必死の思いで助けを求めてくる。
阿見子の勧めもあって村野は茜のいるベネツィアへと向かった。
イタリアで楽しく過ごす間に恩あるオーナーは
肝硬変が悪化して最後を迎える。
その時この初老の女性が遺言状と共に
初めて本当の気持ちを綴った手紙を残した。
そこには感謝と一緒に過ごした日々の幸せと
男女の関係を持たなかった事に安堵する気持ちが綴られていた。
そして、どんな障害が有っても茜と添い遂げるようにと・・・・
中盤から最後はイタリアのご当地ドラマみたいで
いささか嫌気がさした。
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物忘れが多くなって、備忘録として書いたのですから。