「虎に翼」(69)を見て | 半世紀ちょい生きてきた

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誹謗中傷は精神衛生に悪いのでご勘弁を。
「自分の気持ちに正直に」をモットーに、思いついたこと、好きなこと、子どものこと、病気のこと、これまでの人生についてなど、硬軟織り交ぜて徒然と書いています。

週末からの体調不良で、今週は朝ドラとキッチリ向き合えていない。
なにしろ「ながら見」なんてできない濃厚なドラマだ。
熱に浮かされながら、隔離部屋に流れてくる音声を拾った位で、理解できる筈がない。



土曜日には喪が明ける筈なので、BSで復習する算段である。



なので、クリクリヘアの男の子の親権のクダリはサッパリわからないのだが、
穂高先生が引退することになったのは理解した。



寅子に駆け寄ってくる小林薫。
好々爺好物の私にはたまらない笑顔w

寅子はスン(昔はツンって言わなんだ?)の心境なのだろうけど、取り敢えず笑顔。


なのに、
先生の謙虚過ぎる最後のスピーチを聴きながら、涙を浮かべたかと思いきや、
花束贈呈役を放棄して突然の退場。


え?どゆこと?


「許さない」って、どゆこと?


「尊属殺重罰規定が最高裁で合憲とされたけど、判決は覆らなくても2人の反対意見は残る」
「その声がいつか誰かの力になる日がきっと来る」ってアンタ言ったよ。

そういうことを穂高先生は雨垂れのひと滴に例えたんじゃないのかぃ。
(2人なら2滴か)

ひとりひとりの一つ一つの成果は、本人にとっては並大抵な苦労ではないだろうけど、
時代や社会という、とてつもなく大きな畝りのなかでは、所詮は滴に過ぎなくて、
また、一人の人間が一人前に活躍できる期間にも限度があって、変えていくことは難しい。


でも、その滴(活動や成果)は決して無駄なものではなく、
それを抜かりなく次に繋げて行くことで、時代に即した理想的な法治国家となっていく筈だ。


と、先生は言いたいんじゃないの?


寅子が妊娠した時、意に反したことを言われて心が折れて続けられなくなった。
でも、そのおかげで優未ちゃんは無事産まれたじゃん。
あの時は心身ともに休みが欲しかったはずだよ。
もしあのまま激務を続けてたら流れていたかもしれないじゃん。
(不育症だったからすぐにそう思ってまう)


法曹の世界に戻って続けて来られたのだって、先生のお陰も充分にあるんじゃないの?

「尊敬も感謝もするけど許さない」って面と向かって言う?
(それじゃ、よねさんと変わらんじゃん)


「それ、言えちゃうのが寅ちゃんなのよね」
って、いま私の脳内で花江ちゃんの声がした🫢
(いやほんと、まじで)



…そっかぁ。
いいなぁ、寅ちゃんはそんな風に言えて。


それって、お母さんの臨終の時に「嫌だ〜〜〜!」って号泣したのと同じなのかもね。


てことは、穂高先生だからこそ、言えたんだね。


花束渡したら、もう会えなくなっちゃう気がしたのかもね。


泣き喚くことも罵ることも雄叫びをあげることも、私にはどれもできない。

まして、老いた者に自分の中の澱を吐き出すことなんてできない。



結局いつも自分の臓腑に押し込めるだけ。

あぁこれこそが「スン」なのか。