switch版『Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ-』をプレイしました。

 

 

 


いわゆる学園RPG……なのかな?
などと、どんな内容かろくに知らず、先入観もナシで開始。


主人公は男女を選べるので、少し悩んで女性を選択してみる。

簡潔にあらすじ。
なんらかの心の闇を抱えた人々が高校生活を送る仮想空間メビウス。
そこが偽りの世界だと気づいた者達が集い、
さまざまな妨害を乗り越え現実世界へ帰還しようと戦う物語です。
バーチャルアイドルのμ(ミュー)とアリアというキャラが登場し、
それぞれが敵側と味方側につきます。

バトルが複雑っぽく、本腰を入れるのは面倒そうだったので、
ストーリーを楽しめる一番易しい難易度を選択してサクサク。

マップが表示されるので迷うことはありませんが、
各フロアを巡り戦う探索パートの迷路が少し面倒。
フロア内ではμの歌う曲がずっと流れっぱなしで、
敵と遭遇した時だけボーカルが加わる仕様がなかなか素敵。
フロアごとに曲が異なり、それぞれ人気ボカロPの作品だということです。
Lucidとソーンの曲が特に好きでした。

途中で「このまま進めていいのか?」と思う選択があったので、
作品の基本知識だけは調べてみることに。

『PSvitaで発売された「Caligula」というゲームのリメイク版である。
本筋に加え、その裏側を知ることができる新たな要素が追加されている』

ふむ、なるほど。確認した。
でもこれ何も知らずに進めると、

まず確実に初見で「裏側」もやることにならない?

ところで、作中たまに挿入されるアニメパートについては、
キャラ造形とかけはなれた作画が多く「???」みたいな気分。
もう少し絵柄を原画に寄せてほしかったなぁと思います。
特に盛り上がるシーンに挿入されるアニメなのだし。

そんなこんなでじわじわとプレイして、エンドまで到達しました。
なかなかやり応えがありまして、
男性主人公を選択して2周目をやっています。

ビジュアル的にどちらの主人公も好きだなぁ。
あとは鍵介を贔屓。


この作品、どこらへんがネタバレの境界線か判らないので、
以下ネタバレありの感想とします。




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↓以下ネタバレあり。
未プレイの人はご注意下さい。









いわゆる味方側である「帰宅部ルート」、
敵側である「楽士ルート」両方のエンディングを確認。

どこかで取り返しのつかない選択があったらマズイなと、
最初の選択肢が出た時点で攻略サイトを覗いたんですが、
楽士ルートを選んでも、どちらにつくか最後に選択ができるので、
特に心配する必要はなかったのですね。
帰宅部の部長をしながら、裏では楽士の一員として活動し、
帰宅部のメンバーを容赦なくぶちのめす二重生活に

多少のやましさを感じつつ物語を進めることになるのですが。
というかいきなりバレるんじゃないかとドッキドキでしたねー(笑)


両方のエンドを見た後「楽士ルート」に行かない流れで2周目をやっていますが、
Lucidが登場しなくなり帰宅部が楽士を誘き出す作戦もなくなるため、
若干状況に変化が出るくらい?
あと男主人公に対しては彩声が冷たくて泣きそうです(笑)。

 

見た目だけならよかったのに琵琶坂の犯罪者度が強烈すぎて引く……
琵琶坂の正体と田所とのつながり、梔子や彩声の過去との接点とか、
キャラエピソードを進めていない場合の展開など、
まだ見ていない流れも多いかもしれないです。
見ていない選択のほうにもボイスがついているっぽくて気になります。
とりあえず初回は皆のエピソードを漏らさず見た、と思います。
ん、ソーンのだけは最後まで行かなかったかな?

新密度を★まで上げると戦闘時の皆の台詞に変化があり、

それがけっこうエモい。仲間への思い入れも強くなりますね。

 

RPGのバトルは主人公のコマンドだけは自分で入力するけど、
他のキャラはAI任せにしたいタイプ。
しかしAIがアホなのかなんなのか、既にいない敵に向けて攻撃したり、
効率的じゃない無駄な動きが多かった印象。
主人公の行動も1度に3回分入れられるのだけどやはり融通が利かなくて、
敵が消えた虚空に銃撃する主人公のアホな姿を何度も見たな。
易しい難易度でやったので問題はありませんでしたが、
高難度でアレだとクリアもままならないのでは?


「帰宅部ルート」はみんな帰還できて現実世界も無事という、
まぁ無難な終わり方。
ただし帰りたくなかった人(楽士側)への救済はあったのかどうか……

エンディング曲はkemuさんなのですね。

スタッフロール後に描かれるアニメでは誰が誰だかいまいちわからず、
後日談がしっかり伝わって来なかったな。

 

5/31追記

だらだらプレイしてようやく男性主人公での「帰宅部ルート」クリア。

男性主人公では楽士ルートを選択しなかったため分岐はナシ。

分岐ナシだと必然的に琵琶坂の正体を知る機会がなくなり、

後日談で刑務所から出てきた男がヤバ気な笑みを浮かべるシーンが

追加されていました。

楽士ルートを経ていて奴の本性を知っているから

「危険人物を野に放ってしまった」と嫌な気分になるわけですが、

本性を知らないであのシーンを見た場合、

「やっぱりヤバイ奴だったのね」と事情は分からずも後味の悪さを

感じるのでしょうか。

いやー、あいつは放置したらまた人を殺しそうだし、

やはり楽士ルートを経てキッチリ追放しておかないとダメでしょうという印象。

琵琶坂がいるパターンでの裏切りエンドも見たいけど、

さすがにもう一周プレイするのは面倒なのでした。

 

 

「楽士ルート」は
最後の選択肢で「現実には帰らない」を選ばなくても
ソーンは一切暴露しないんだね。優しいわ(笑)
ともあれ、
楽士側のエピソードも解禁してそれぞれの事情を知れたのは良かった。

現実に帰りたいと思う人も多数なのに、

それでいて全てをぶち壊すという破滅的な展開も……
キャラに思い入れがあるほど、なかなか心にくるものがあるラストで、
最低のクズとして罵声を浴びながら主人公が帰宅部を全滅させるという、
長い時間をかけて到達したゲームの結末とは思えないような展開が味わえて、
悪役の気分にどっぷりと浸れました。こういうのも珍しいですね。
一人で全員と戦う展開もあるかもと、途中から帰宅部のレベル上げを
やめていて正解。でも一人でも楽勝でした。
しかし皆、裏切りを知った途端ブチ切れて即座に責め立ててくるとは、
新密度★まで上げているのに「あいつ裏切りやがった!」って、

飲み込みも切り替えも見限りも早すぎない?

「何故裏切ったんだ!」「もしや洗脳されているのでは?」とか
そういう不毛なやりとりとかさー、もう少し何かあってもいいのでは?
あとアリア完全体の全身像が楽士ルートでしか見られないのは何故。
闇堕ちしたようなアリアのしゃべり方が善哉。

たぶん現実世界の混乱もヤバく、メビウスは滅亡で、

最後μの質問に「はい」と答えて終わる絶望感も新鮮。

けれど、これは虚構の世界でこその娯楽なのであって。
諍いや戦いはあくまでもフィクションの中だけで楽しみたいですね。