歴史ギャグマンガ『風雲児たち』の作者、みなもと太郎先生の訃報。
webニュースの見出しを見たとき「えっ嘘!?」と声が出ました。
私が最初に手にした先生の作品は「レ・ミゼラブル」。
レ・ミゼラブルをコミカルに描いたギャグマンガです。
コミカルなのにドラマがあってがっつり読ませる名作でした。
私が「レ・ミゼラブル」のあらすじを書くにあたって
参考にさせていただいた本です。
そんな先生の代表作が『風雲児たち』。
潮出版社連載時代、私は単行本派だったのですが、
当時はそもそも単行本を扱っている書店を探すのが大変で、
書店のはしごに力を入れた思い出があります。
発見できると「うぉー!」と歓喜したものでした。
先生が作中で「発行部数は学術書なみ~」などと自虐ネタを
描かれていたような記憶が。
それだけ手に入りにくいものだったのです。
そうして細々追っているうちに、
どういうわけか作者も読者も納得いかないところで完結し、
新たに「雲竜奔馬」というタイトルで坂本龍馬の物語がスタート。
もともと幕末を描くはずだったのに関ケ原から始まった作品、
編集部からは「さっさと幕末に行け」と言われ続けていた
とのことなので、それが理由なのかと。
しかし「雲竜奔馬」も、確か5巻くらいで完結……
その後、連載誌が「コミックトム」から「コミック乱」に移籍して、
「風雲児たち幕末編」として連載が再開されたときは、
ファンの喜びもひとしおだったと記憶しています。
その頃、一度だけ「太郎と語る会」に参加させていただいたことも。
ただもう、当時は緊張のあまりガチガチで、
すみっこで先生のお話を聞くくらいで終わってしまったことが悔やまれます。
(そして緊張しすぎで頭が沸いていて話の内容を覚えていないという)
そのあと同人誌通販を利用したら、サインや自筆の手紙までいただいて、
舞い上がってしまったこともあります。
なぜかコミケ会場のスペースに伺ったことがないと思うのですが、
私がサークル活動を休止した頃だったからかもしれません。
一般で行くのは過酷すぎる会場なので、
サークル参加しなくなってからはほとんど行ってないのですよね。
幕末編はしばらく雑誌連載で追っていたものの、
近所のコンビニがなくなって「コミック乱」を入手するのが難しくなり、
また単行本派へ戻っておりました。
そのため、先生が体調を崩して休載されていることも知らず。
webニュースにて訃報を知ることとなったのです。
未完となってしまった「風雲児たち」。
正直、お元気であってもなお未完であることもありえたかもなどと、
思ったりもしておりましたが、闘病のうえの逝去は辛い……
ファンも悲しいですが、先生ご自身も悔しかったかと思います。
残念です。
既刊は自室の本棚の一番取り出しやすいところに収まっています。
今後も位置が変わることはないでしょう。
みなもと先生のご冥福をお祈り申し上げます。