ABBAの作曲者とティム・ライス原案によるミュージカル「チェス」
2020年版を観てきました。

ロンドン初演版の新演出。

東京国際フォーラム ホールCにて。

『主なキャスト』
アナトリー ラミン・カリムルー
フローレンス サマンサ・バークス
フレディ ルーク・ウォルシュ
アービター 佐藤隆紀
スヴェトラーナ エリアンナ
モロコフ 増原英也

アンサンブルは全て日本の方々

以下の感想には、結末についてのネタバレが含まれています。
ご注意下さい。

日英キャストでの英語上演。
一体どうなるのかなと期待半分不安半分だったのですが、
歌唱については全体的に素晴らしいの一言でした。

聴きごたえのある声。大迫力!
伴奏の音がかなり大きかったのですが
歌声はそれ以上に力強く客席へ届けられていましたね。
安心して聴いていられる完成度でした。お見事。

ただ、物語は予想の斜め上を行く展開で……
チェスの試合以外にはとりたてて盛り上がるシーンもなく
(歌では盛り上がっていても物語的には特にね)。
第二幕の結末まで至ったときの感想は、
結局コレ妻子を見捨てて、女と駆け落ちした状態よね?
国を捨てるのではない、祖国は心の中にあると言っておきながら
おめおめ帰国すんのかいっ。覚悟して亡命したんじゃないのか。
「アナトリーおまええええぇぇぇぇwwww」
ってなツッコミ気分でした。
第一幕ラストの感動が台無しに。
クライマックス感バリバリの「アンセム」で締めくくる第一幕で
完結してくれたほうがいっそスッキリして良かったのにな、と
正直思いました。
時代背景など知っていれば違った印象もあるかもしれません。
そういうのを知らなくても伝わってくるものがあれば良かったのですが。
あと字幕が見辛かったですね。

ラミンのアンセムはさすがの一言。
クライマックスの試合シーンでの歌唱は全員最高でした。
良いキャストのみで構成されたカンパニーで良かった。

歌が良かっただけに物語はナンダコレみたいな
不安定な気分のまま鑑賞を終えました。