東京芸術劇場プレイハウスにて、
ミュージカル『パレード』を観てきました。
この劇場、私はなんと11年ぶりの来訪でした。ひさしぶり!
その間に中ホール→プレイハウスと名前が変わっていましたわ。
最前列も久々でした、ありがたや。
◆主なキャスト
レオ・フランク(工場長) 石丸幹二
ルシール(レオの妻) 堀内敬子
ヒュー・ドーシー(検事) 石川禅
スレイトン(知事) 岡本健一
ブリット・クレイグ(新聞記者) 武田真治
トム・ワトソン(政治活動家) 新納慎也
ジム・コンリー(清掃人) 坂元健児
ローン(判事) 藤木孝
メアリー・フェイガン(女工) 莉奈
フランキー(メアリーの友人) 小野田龍之介
以降の感想には物語のネタバレがありますので、
これから観る方というは気をつけて下さい。
20世紀初頭のアメリカで実際にあったという
冤罪を題材にしたミュージカルの日本初演。
題材としては決して楽しいものではありません。
というかヒドイ話です。
なにしろ殺人事件の「冤罪」。
なにもやっていない人が殺人の罪で起訴され、
検事がでっち上げた悪質すぎる証言で罪が確定してしまい、
傍聴人が大喜びする展開はなんともイヤな気分に。
その後、妻の尽力で逆転の兆しが見えてきて、
死刑から無期懲役に減刑され、いずれは釈放されるかも……?
というところまできたのに、
拉致され無理矢理処刑されてしまう
救われない結末が待ち受けていて。
人種差別の歴史や考え方、
時代背景を知らないとピンとこない展開もあるのですが、
なかなか考えさせられる物語でした。
裁判シーンの三人娘をオフィスに誘う悪フランクがナイスでした。
石丸さんはああいう役柄のほうが生き生きするのかしら?
坂元さんのジムは完璧すぎるでしょう。
そして最近悪役が多い禅さんの、今回の検事は、
コミカル要素がなくて勝ち逃げする悪役で素敵にカッコイイ!
無様にやられるコミカルな悪役よりもこういう役柄が似合うと思う。
日本版演出が斬新。
印象的な大木と背景色のコントラストが強烈な印象として
頭に残るとともに(ナミブ砂漠のデッドフレイのような)、
冒頭から降りしきり、舞台上にどんどん
積もってゆく大量の紙吹雪の上で進行する物語が
ある意味、童話的。
かなり思い切った演出だと感じました。
そしてなにより、この作品、音楽がいい!
旋律がどこか郷愁的で、美しく切なく、
そしてドラマチックで冒頭から盛り上がるのです。
思わず劇場でロンドンキャスト版のCDを買ってしまいました。
うわー歌かっこいいわー。
思わず聴き入ってしまいます。
久々に良い買い物をしたと思えるCDでした。
ところで殺人事件の真犯人は誰だったのでしょう?
事件当日の状況をみるに、第一発見者の警備員くらいしか
容疑者はいない感じですが、舞台上では具体的には明かされず。
疑問に感じて、ちょっと調べてみました。
↓実際の事件についてはこちらに。
配役は実名だったのか……
真犯人がわかる記述も。ざらついた気分になります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E4%BA%8B%E4%BB%B6