ダラダラした感想なので、適当に読み流してください。


年初に劇場での鑑賞チャンスを逃してから円盤発売を心待ちにして、
先日ようやく「傷物語 I 鉄血篇」を観ることができました。
「傷物語」は原作を何度も読み返してしまうほど好きな作品。



以下、原作を含むネタバレがチラチラあるので、
内容を知りたくない人はこの記事を読まないほうがいいです。



映像の第一印象は――「短い」。
美麗で迫力のある映像ですし大画面で見たかった気もしますが、
1時間ちょいの作品で「次回に続く」モノを映画館で見ていたら正直物足りず、
不完全燃焼な気分に陥ってしまったことでしょう。
私的には円盤を自室でこそこそ見るスタイルの方がイイなと。


内容は、三部作に分けただけあって、
原作の細かいところまでじっくり映像化されているという印象。
これは原作のあんなシーンやこんなシーンも、
もらさず入るってことですよね!わくわく。

これまでのTVシリーズとはだいぶビジュアルの印象を変えてありますが、
もともと非現実的な世界観や演出が取り入れられている作品ですし、
何がどう表現されていても
さらっと受け入れられるのが「物語シリーズ」の醍醐味。

ディスクを起動したら、阿良々木くんが意味ありげに徘徊しはじめて、
なんかいかにも「途中から始まった」イントロだったので、
本当に「あれ、途中から始まった? ディスクがバグった?」
と思って最初から起動しなおそうかと思いました(笑)。

しかしすぐに「これはこういう始まりなんだろうな」と思い直し
そのまま鑑賞続行。
たぶんこれは彼が吸血鬼として覚醒してすぐの話で、
このまま建物の外に出て燃え上がるシーンになるのだろうな~、
と思っていたらその通りで、原作よりだいぶ派手に炎上。
なぜ冒頭、このシーンから始めたのでしょうか。
映画的にドラマティックなインパクトが欲しかったから?

シーンは変わって、阿良々木くんと羽川さんとの邂逅。
これまた派手にスカートが……
会話の流れやノリも原作に沿っていて、
今後続くIIとIIIにおける二人の会話が楽しみになります。

そしてキスショットとの出会いがこれまた衝撃的映像。
原作では道端で声をかけられただけのアッサリした展開が、
大量の血のあとを長々と辿る猟奇的な流れに。
実際あんな痕跡を発見したら即座に通報ですよね。

キスショットの命乞いを経ての阿良々木くんの自己犠牲は、
まるで愛し合った二人が結ばれるような
ロマンチックなシーンになっていました。
なにこれクライマックス!?みたいな。ときめく!

幼児化したキスショットは、素直にかわいい。
頭を撫でられるシーンの効果音がツボりました。
キスショットのエピソードは、
スーサイドマスターの話まで余さず映像化で見たいな。
オフシーズンもアニメ化して欲しいですよね。

吸血鬼ハンター三人組もかっこいいですねぇ。
謎の言語で会話するのは不気味な演出でGOODでした。
II以降はちゃんと日本語でしゃべってくれそうだし、
エピソードは既にTVシリーズで出演済ですが、
他二名のキャストも安定のベテランだし期待できます、楽しみです。

そしてオイシイ登場の忍野さん。ひいっ、カッコ良くて吹くー!
物語シリーズではキスショットと忍野と貝木が特に好きなので、
彼等が登場すると嬉しい私がいますよ。
忍野さんは後半にもいいセリフやシーンがいっぱいあるし、
期待しましょう。期待しますよ!



そしてシリアスな物語の裏では、いつものノリの副音声。
キスショットと忍野の組み合わせで、聴きごたえがありました。
命乞いを茶化したり、遠慮なく容赦なく斬り込んできますね。
相変わらず作者は声優に色々やらせたがっているなぁと感じます。

しかしアニメ「おそ松さん」を経てから聴いた忍野声は、
ときどきおそ松の声に聞こえてきて困りました。
神谷さんの声はもう頭の中で阿良々木ボイスと認識されているので、
チョロ松の声(というか別作品のどの役柄でも全て)にしても
阿良々木くんにしか聞こえなかったんですけれど。
……って話題が脱線した。

IIとIIIの副音声がどんな組み合わせになるのかも、楽しみですね。
そういえば、今迄に聴いた副音声で割と恐怖を感じたのは
神原と八九寺の組み合わせでした。
二人で会話しているようで、実は全く会話していないという恐ろしい脚本。

物語シリーズは作者が副音声の脚本を担当しているだけあって、
他の作品にありがちな
「関係者の脱線しまくりな行き当たりばったりヌルい雑談」
が一切なくて、二度楽しめる秀逸なものになっていると思います。


ともかく、傷物語はクオリティの高い見ごたえのある作品でした。
続きも楽しみですが、たぶん劇場には行かないかな……
円盤発売を気長に待ちます。揃うのは来年かぁ。



現在も続編刊行中の原作ですが、
オフシーズンは次の「結物語」で終わりらしいですね。
そのあとはどうなるんでしょう?
色々なエピソードが読めるのは楽しいので、
このまま続いてくれても構わないのよ~?とも思いますが、
阿良々木くん主軸の話はもうヘタに広げられないだろうしなぁ。


あとは戯言シリーズのアニメ化続報はいつかなーと、
こちらも期待しているのでした。