前回の感想・7月19日のログ参照。
今回の感想も、熱くてけっこう長いです(笑)。
9/2追加・思いついたように加筆していることがあります。


◆まだ楽しんでいます♪
ネットを色々見て回ってきましたが、
「戦勇。」って本当に大人気作品なのですね。
今迄まったく知らなかったのが悔やまれます。

各種人気投票や、同人誌、アニメ化、ラジオやニコ生、イベントなど、
リアルタイムで楽しめなかったのが残念ですが、
作品を知ったのは本当に最近だし、
こればかりはどうしようもないことですね。しょぼーんorz

出遅れた感は否めませんが、
本編をまとめて一気に最後まで読めたことは、却って良かったです。
連載中リアルタイムで読んでいたとして、
ものすごいヒキで「次回につづく」とやられた日には……
話の先が気になって仕事に集中できなくなります故!(笑)

ところでさすがインターネット、過去の記録は残されていたので、
チェックできる範囲で楽しませていただいています。

◆アニメ
「戦勇。」のアニメ全26話はニコニコ動画で配信中。
1話5分の短編アニメです。
1~4話までなら無料で閲覧できますので、未見の方はお試しにぜひ!

初見の場合はoffにしたほうがいいけれど、
内容を知っている状態でコメントを流して見ると面白さ倍増。
視聴者群は、主人公よりもツッコミが厳しく激しい。

私はニコニコで試しに視聴して、あまりの面白さに爆笑、
その勢いでDVDを買ってしまいました。
最初は買うつもりなかったんだけどな……
どこかで盛大に足を踏み外した感が否めない。
いえ、買ったことは全く後悔していませんけれど。

◆ラジオ
アニメ版アルバ役の声優、下野紘さんが
パーソナリティとなって展開していた
「戦勇。ラジオ『勇者通信』」が素敵すぎる。
こちらもニコニコ動画にて無料で聴くことができます。

30~60分程のトークなんですが、これがもう、
息が止まるほど笑える面白い内容でして。
音声だけでこんなに笑ったの久しぶりでしたわ。

戦勇ってボケとツッコミで盛り上がる作品みたいなので、
作り手は勿論、読者や視聴者、リスナーもボケなければならないようですね。
ネタに走りすぎて暴走していることも多々!

ラジオのゲスト回が毎回カオスで腹筋崩壊。
ボケる人、マイペースな人、協力的な人、非協力的な人、
個性的なゲストを相手に、華麗なるツッコミを披露する声優・下野紘。 
この人デキる!
しかしなぜだろう、主にスタッフやゲストによって
下野さんはアルバより酷い目に遭わされていたように思えます。
「下野をイジり倒せ!」という裏指令が出ていたのかしら。
しかしなるほど、
ああいう打てば響く「いじりがいがある」ヒトが愛されるのね。

仕事で疲れてぐったりしていても、イヤなことがあって荒んでいても、
この人の声を聴いたら元気になれる的な癒し感があるというか。
ラジオを聴いているうちに好感度が上がって、応援したくなりました。

◆こそっと呟き
ドラマCD付限定版の予約は、ぬかりなく。
腕をホールドしてアイスを略奪。
告知カットかわいいですね♪
このカットも3巻に収録されることを期待。

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ネタバレ注意!


これ以降の雑文は原作のネタバレあり。ご注意下さい。
web版1~4章、番外編まで余すところなく読了してからお読みくださいませ。



◆バック・トゥ・ザ・フューチャー的な?
前回の感想で「4章は説明不足」だと書いてから、
更に何度か読み返してみたら、
頭の中で情報がごちゃついて混乱してしまったので、
自分用にざっくり文章にまとめてみました。
以下に、整理したものをあげておきます。


◆4章のあらすじ
迫りくる隕石――世界に未曽有の危機が訪れようとしていた。
隕石を回避する新魔法を使うには魔力が足りず、人類終焉のピンチ。
大魔導師であるエルフは友人のアルフと共に、
歴史への干渉は最小限にとどめることを前提に過去へと戻り、
魔力の底上げを試みることにする。
時間を遡ること2000年。
そこで彼らが出逢ったのは、
後に大災害となるルキメデスと、彼の家族。

ルキメデスの妻シシリーに不用意に接して、絆されてしまったアルフ。
その時代に死ぬはずだったシシリーと息子レイクを
未来に飛ばすことで生かす案を実行に移した結果、歴史が大きく変化し、
エルフ達が存在していた未来とは違う別ルートの平行世界が発生。

これにより、タイムパラドックスによる自身の消滅は回避された。
このルートなら干渉し放題だと、はしゃぐエルフ。
(ただ、タイムパラドックスによる記憶の変化や自己消滅の危険性は、
過去へ出発する時点で既に覚悟完了していたはず)

しかしアルフは、歴史が変わったことによって
シシリー達が時間移動中のまま帰還できなくなったこと、
更にクレアとシオンが遭遇した悲劇の顛末を知り、気に病んでしまう。
シシリーを助けるためには、
次元の狭間に封印されている魔王を討つしかない。
エルフはドライに考えろとアルフを諌めるが、
アルフは魔王を殺さずにシシリー達を救うため、
それを手伝おうとしたエルフの記憶から自分の存在を消し、
単身時間の渦へ向かってしまった。

アルフの記憶を失くしてしまっても使命を忘れなかったエルフは、
一人で魔力の底上げを続けるが、
あるとき突然アルフのことを思い出して大混乱。
時間の渦に向かったアルフを救おうと、後先考えず飛び出してゆく。

◆舞台裏でのエルフの動向
・1章前
アルバとロスの旅立ちを、どこかから観察しているエルフ。
戦士ロスがクレアシオンだという事を知っているが、
ツェーン以外の魔族には内緒にしている。
シシリー達を未来に飛ばしたことは覚えているものの、
それを実行した理由は忘れていて、現時点でシシリーの安否も未確認。

・2章後半
魔力を手に入れたアルバを見て歓喜している最中に、アルフのことを思い出す。
調べてみると、いかなる方法によってなのか、
シシリー達は時間の渦から救出されて現代を生きていた。
では、未だに戻ってきていないアルフは一体どうなった?――とエルフ焦る。

・2章~3章間
時空の狭間に囚われてしまったであろうアルフを救うため、
時間の渦に飛び込むも、失敗してはじき出されてしまうエルフ。
森に倒れていたところを散歩中のクレアに発見され、少し会話を交わして、
「友達は必ず助ける!」と、諦めかけていた心が再燃する。

・3章後半
魔力の底上げのため色々暗躍する一方でアルフ救出を試み続けるが、
どうしてもうまくいかないまま、遂に体への負担が限界に。
(それとも、アルフ救出を試み続けて体が限界
→死ぬ前になんとか魔力の底上げを、と強引な手段に出る
……という流れだったのだろうか)
せめてこのルートの未来だけでも救おうと、エルフは魔力の底上げを全うし、
自身の魔力をアルバに託して、救えなかったアルフに謝りながら死亡……
一方アルフは、どことも判らない空間で力なくエルフの名を呼ぶ。

・4章ラスト
数年後、事の真相に辿り着いたアルバがアルフを発見、救出。
更に過去へ戻って、死ぬ寸前のエルフをも救い出す。
それだけではなく、アルバは二人を元の世界軸へ戻すために、
平行世界へのアクセスを可能にする方法を模索していた。
エルフは自分達が帰るべき未来のルートへの移動方法を探すべく、
手伝ってくれと差しのべられたアルバの手を取るのだった。


▼人物の印象
・エルフ
優秀な魔導師。頭のいいバカ。つかみどころがない。
好奇心旺盛で他人の迷惑は考えない。
キレると後先を考えない行動に出る。
アルフに対する友情は意外と熱かった。

・アルフ
暴走しがちなエルフの目付役。
子供の頃から自由奔放なエルフに憧れていた。
冷静で穏やか、思慮深い。
一方で、愛する者のためなら、
無茶なことでも平気で実行に移す情熱的な面もある。

後付された設定というのもあるのでしょうけれど、
物語中、エルフの行動・思考に不可解な点がありましたね。
なぜアルバの命を狙いに行ったのか未だ理解不能。
彼に近づくために装っていたにしても思考までそうなっているし。
ストーリーの都合に合わせたら矛盾を孕んだ変な人物になってしまった
「逆転裁判4」の某Z氏を思い出してしまったのですが……
「お前は一体何をやりたいんだ?」的な噛みあわなさを感じました。

▼疑問に思ったこと

エルフ達の時間移動は、エルフの現代→2000年後と、
そこから16年未来へ→2年未来へ、
までしか作中では描かれていないが、
シオンが魔王を封印するまでの間、
エルフとアルフはどこで何をしていたのか?

魔王封印時からアルバのいる時代まで、
エルフとアルフはどのように時を超えたのか?
封印魔法によって再度時間旅行をしたのか?
それとも不老不死の魔法等を使いつつ魔族として振る舞い、
魔力の底上げを続け、
その名を魔界に轟かせながら1000年間過ごしたのか?
(4大魔として恐れられるなら、それなりの目立つ行動があったはず)
作中で「長く生きている」というエルフの台詞があるが、
アルフ不在時のエルフの記憶は、あまりあてにならないようにも思える。
そもそもなぜ、魔王を1000年も封印する事態になったのか?

それ以前に、アルフはどの段階でエルフから自分の記憶を消し、
シシリー救出に向かったのか?

こちらのルートで魔力の底上げをした分は、
もとのルートの未来にも反映されるのだろうか?

結局クレアシオンが封印から解除された理由も判らなかった。
自然にそうなったのか、誰かがちょっかいを出したのか、
それすらも不明。

エルフが言っていた『アルバに与えた「きっかけ」』って何?

これだけ疑問点があったから「説明不足」だと感じたわけですね。
文章にまとめてみて、頭の中が少し整理できました。

想像タイム
私は頭の回転があんまり良くないんで、
考えれば考えるほど混乱してきましたね。
で、これらの疑問点に対し、自分なりに答えを考えてみました。
想像や妄想は読者の特権ってことでひとつサラリと読み流して下さい。

シオンとアルバの出会いのきっかけを作ったのがエルフだという想像

そもそも、アルバが通る道に出現したばかりのクレアシオンがいたのは何故なのか。
彼らを追い立てた竜巻すら作為的なものと考えることもできそう。
(「港町の英雄」参照)

魔力底上げを成功させるために、エルフは各方面に揺さぶりをかける必要がある。
シオンには魔王を討伐するという重要な役目を担ってもらわなければならないが、
彼自身は魔王を倒せず、封印することまでしかできない。
だが、いつまでも魔王が封印されて世界が平和なままでは、
魔力の底上げをするのに都合が悪い。

自分の介入は最小限にして、できるだけこの世界の人間に動いてもらいたい。
アルバさんなら、この膠着状態をなんとかしてくれるかも?と希望を抱き、
エルフはアルバが存在する時代まで待ってみることにした。

エルフ達が存在していたルートでは偉大な功績を残して大魔導師となるアルバ。
こちらのルートのアルバはヘタレだが善良な若者で、能力は未知数だった。
きっかけさえあれば才能が開花するに違いない、とエルフ期待。

さて、どうしたものか。

二人を出逢わせればお互いに刺激しあって、面白い展開が見られるかもしれない。

そんなわけで、エルフはシオンを封印から解除してアルバと遭遇させた。

という流れなら、
封印解除が1000年後(アルバが存在する時代)になったことも
納得がいくような気がします。

よく考えると辻褄が合わない部分がありますが。
以上、私の想像でした。



出会いのきっかけはさておき、
アルバとロスが旅をしながら、なんだかんだで絆を深め合うのを観察して、
エルフはちょっと切なくなったのではないでしょうか。
オレの憧れの人と一緒に旅ができるシオンくんが正直羨ましい、みたいな。
アルフの事を思い出してからは、さらに複雑な気分になったとか、ね。
それにしても、ずっと観察していたのかと思うと、ちょっとコワいよ(笑)。

3章でエルフがうかない顔をしていた理由は、
魔力底上げのためにレイクを利用し、
シシリーの心を傷つけたことを知ったら、
身を犠牲にしてまで彼女達を助けたアルフがまた落ち込むだろうな、
と思ったからかなぁという印象を受けました。

結論・結局エルフも、友達思いのイイ奴だったのですね。

「戦勇。」は最初から最後まで一貫して「友情」がテーマだったのか。
大変読み応えのある良作品でした。出逢えてよかった。


――以上。
理解不足、認識ミス、勘違いなどありましたらすみません。



◆おまけ
作中アルフが言っていた「バタフライ・エフェクト」について。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E5%8A%B9%E6%9E%9C

「パラドックス」はこちら。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9

私は途中で読むのを放棄しましたが。
どちらにせよ、登場人物が作中で説明していない専門用語などは、
さらっと読み流してしまって良いと思います。