これまでも『千本桜』等、存在は知っていましたが、
ボーカロイド楽曲は特に積極的に聴こうとは思わないジャンルだったのです、が。
バンブラがきっかけで、いろいろなボカロ曲を聴く機会に恵まれています。
そんななか、やはり一番インパクトのあった「脳漿炸裂ガール」について、
原曲を含めて、小説版などの感想もだらだらと書いておきます。
◆原曲
「脳漿炸裂ガール」
作曲・れるりり
歌唱・初音ミク&GUMI
youtubeの公式PVアドレスはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=Ey_NHZNYTeE
バンブラで耳にした→ダウンロードしてみた→原曲を検索してみた→原曲を買った
という流れに。とにかくインパクトが大きかったのです。
あらゆる意味でキョーレツな歌ですが、音楽はけっこう硬派。
歌詞は正直何の感銘も受けません。そもそも意味を求めてはいけないのだと思います。
ノリ勝負。
これをカラオケでスムーズに歌えるようになったら痛快だなーと思うんですが、
今のところまだ半分も追えません。脳の処理能力と口の動きが直結せず、
スピードについていけないのですな。
これをこなせれば、確実に滑舌がなめらかになるでしょう。
◆書籍版
「脳漿」には、歌を原案とした小説やコミックがあるのです。
小説版は実写映画化の話もあるのだとか。
配役や脚本など、ちょっと興味がありますね。
おそらく超ヒット曲にあやかった便乗商法で、人気ボカロのキャラやタイトルを使えば
ファン中心に売れるだろうという出版社の安易な発想(失礼)から
今日のボカロ小説群が発生したのだろうと思われますが、
売り手の思惑はどうあれ読書のきっかけにもなるし、
内容が面白ければ、こういうものもアリじゃないかと思います。ヒットした者勝ちだな。
このような機会でもなければティーンズ小説はまず手に取らないでしょうし、
どんな内容なのか興味も湧いたので、試しに読んでみました。
あらすじ
訳が分からないまま校舎に閉じ込められた女生徒達。
彼女らに課せられたのは、命を懸けたデスゲーム。
追い詰められた状況で次々に襲いくる難問!
果たして主人公ハナは、無事にゲームを切り抜けられるのか?
けっこうハラハラしつつ、普通に面白く読めました。
文章内に歌詞の一部が引用されたり、ところどころに散りばめられていたりしますが、
脳漿炸裂ガールという歌の内容とは、ほとんど別モノといって良い物語になっていますね。
ここから15行分+α↓内容のネタバレあり。未読の人は要注意!
タイトルからして、スプラッタで猟奇な話なのかなーと思いましたが、
中高生向けの本では、さすがにそんなこともなく……(笑)。
とはいえ作中、登場人物たちが容赦なく射殺されていくので、
血生臭く殺伐とした印象が残りますね。
もっとも、最後で「実は撃たれても死なない銃」という事実が明かされるので、
ちょっと興醒めではありますけれど。
ただし死んでいないというだけで、この銃で脳を撃たれた人間は
意志を持たない、生ける屍の如き存在と化してしまう罠。
いろいろあって主人公以外全員が生ける屍になる展開は、けっこう切ない。
その後も主人公は奮闘しますが、今のところ事態は好転しておらず。
今後の大逆転を期待したいところです。
【今後の展開で期待していること】
古寺とハナの間にロマンスが生まれないかな?
軽いけど紳士的な久保賀の復活を期待。
以下追記。
……というか、意志の力で正気に戻れる可能性がある、となると、
久保賀(悪)や味田達が復活したらヤバいですよね。
新たな火種になる展開も面白いといえば面白いけど。
ここまできて悲劇的な結末は勘弁してほしいものですよ。
ネタバレ終。
……ところで、本の売り方がちょっとあざとい。
第一巻タイトルは「脳漿炸裂ガール」なんですが、これだと一冊で完結する印象がありますよね。
けれど実際読んでみると「下巻に続く」……おいおい、てな感じです。
だったら最初から通しナンバー入れてよね、と。
続きにすると売れないかも、という出版社側の思惑が透けて見えると思うのは気のせい?
そして第二巻で一応の区切りはつきますが、物語は更に続いたりするのです。
一巻の売れ行き次第で続くか否か決める感じだったのかな。連載漫画にもよくあるパターン。
第二巻以降はサブタイトルがついて、
「脳漿炸裂ガール どうでもいいけどマカロン食べたい」
「脳漿炸裂ガール だいたい猪突猛進で」
「脳漿炸裂ガール チャンス掴めるのは君次第だぜ」
以下続刊。
……となっています。うーん、そのうち順番がわからなくなりそうだ。
今からでも遅くないから通しナンバーを入れて欲しいものです。
なんだかんだいいつつも、新刊が出たら買いますよ。
続きが気になる!という点では、良い作品に仕上がっていると思います。
追記・ちょっと前に実写映画のキャストが発表されていましたね。
本当にやるんだ……という気分になったわ。
2015年夏公開予定だそうです。
ところで原作の続きはいつ出るのかなー。
12/30追記
小説「脳漿炸裂ガール」読了報告はこちら。
http://ameblo.jp/minetofactory/entry-12082473763.html
◆関連して、こちらの感想もちょこっと。
「聖槍爆裂ボーイ」
作曲・れるりり&もじゃ
歌唱・鏡音レン
youtubeの公式PVアドレスはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=MqNmKnCNLyM
女の子とやらかしてしまった少年の、超~かっこいい言い訳ソング♪
問題ありまくりの歌詞なので、こっそり聞いた方が良いです(笑)。
声変わり前の少年(ボカロの声優は女性ですが)が歌っているからこそ成立する、
ギリギリの歌だと感じます。
変声期を過ぎた男子の声で歌われると
「オマエいい年こいて言い訳してんじゃねーよ」という気分になります故(笑)。
こちらも小説版があるんですが、内容は、現代風ファンタジーな設定で味付けされた物語。
最早原曲とは本当にまったく無関係なストーリー展開となっています。
いくつかツッコミどころもありますが、おおむね楽しく読めました。
特にクライマックスあたりの彼女(200P)と、それに対して彼が放った言葉(217P)がイイ。
ぐっと印象に残る、素敵なセリフでした。ときめいた♪
これだけでも、読んで良かったなと。
何か一つでも印象に残るものがあれば、その本は私にとって良い本なのです。
おまけ◆関連動画
youtubeで見つけた「歌ってみた関連」のレベルが高いものをいくつか。
◆天月+伊東歌詞太郎ver脳漿炸裂ガール
https://www.youtube.com/watch?v=vd8PI17EQ3Q
男性ボーカル天月+伊東歌詞太郎による脳漿。
初めて聴いたときは色々な意味でのけぞりました。
◆96猫ver脳漿炸裂ガール
https://www.youtube.com/watch?v=mSUF8ujS5Gk
◆96猫ver聖槍爆裂ボーイ
https://www.youtube.com/watch?v=-i82yiE77NQ
女性ボーカル96猫による脳漿と聖槍。この人、抜群にうまいな!
いずれもハイセンスな歌唱+アレンジです。