安倍元総理は「台湾有事は日本有事」と危機感を抱いていたが、高市総理は昨日の衆院予算委員会で、どこまでのことが起きれば「存立危機事態」にあたるのかについて、踏み込んだ見解を示した。

 日本が攻撃されなくても、同盟国である他国への攻撃が発生し、それによって我が国の安全がおぼやかされるのが「存立危機事態」であり、平和安全法制に書かれている集団的自衛権を行使する際の一要件とされている。

 中国による台湾侵攻は「単なるシーレーン(海上交通路)の封鎖かもしれないし、武力行使かもしれないし、サイバープロパガンダかもしれない。いろいろなケースが考えられる」としながらも、もし勃発した場合には「個別、具体的な状況に応じて、政府がすべての情報を総合して判断する」とのべた。

 安易に危機感を煽るのを避け「海上における民間の船による妨害はあたりにくい」と線引きをしながら、それよりもエスカレートした「戦艦よる海上封鎖やドローンが飛び事態になれば別な見方ができる」と指摘した。

 あくまでもアメリカ軍の対応と歩調を合わせることになるが、同盟関係を強化して、台湾を支える方針を堅持し続ければ、中国による侵略を阻止できるのである。高市総理の発言は、中国が誤った判断をしないように、と釘を刺すことになったのではないだろうか。抑止力を強化し、断固たる姿勢を貫くことでしか、東アジアの平和は維持できないからである。