岩田厚氏のユーチューブで、トランプの支持基盤が福音派であることを指摘していた。聖書絶対主義の原理主義者は、ハルマゲドンを待望していることからして、トランプがとんでもない決断をする危険性がある。この世の終わりがあるという歴史観は、世界最終戦争という考え方と結び付くからである。まさしく千年王国説である。

 日本人は多様性を認めるが、今の世界は宗教的な力で動いているというのだ。私たちが日本の国柄にこだわるのは、平和を重んじるからである。アメリカもイランも、実際はどちらも宗教国家である。一神教の恐ろしさと比べると、日本は寛容であるからだ。

 日本は西側の一員であり、アメリカとの同盟関係は重要である。しかし、アメリカが宗教国家であることを忘れてはならない。今起きていることが第三次世界に結び付くとすれば、それは宗教によって引き起こされるのである。

 さらに、アメリカのインテリにはネオコンが多い。世界同時革命のトロッキストがネオコンになって、スターリニスト国家を糾弾している。私たちがアメリカと付き合うときには、それらのことを考慮しなければならないのである。

 日本の国益を考えれば、東アジアでの中国を牽制するためには、アメリカを頼りにせざるを得ない。ここが日本丸の舵取りの難しさなのである。宗教国家ではない日本は、第三者的立場から物を申し、アメリカをセーブすることも大切ではないだろうか。石破では右往左往しているだけで、日本の独自性を主張できない。今こそ日本は自らの歴史を取り戻さなくてはならないのである。