かくまでに恋しきものは飯田橋人は変われど街も変われど

 

なつかしき椎名町の隠れ家と我は思えり文野荘とか

 

千早町我が大叔父がアトリエで裸婦像つくる汗かきながら

(池袋モンパルナスに夜が来た/学生、無頼漢、芸術家が街に出る彼女のために、神経をつかへ/あまり太くもなく、細くもないありあはせの神経を―。/池袋モンパルナスに夜が来た 小熊秀雄)

 

西武線踏み切りの音路地裏の隅の端に我は住みけり

 

ひたすらに山手通りを歩きたる肌寒き日に雨に打たれて