昭和の東京 5首かくまでに恋しきものは飯田橋人は変われど街も変われど なつかしき椎名町の隠れ家と我は思えり文野荘とか 千早町我が大叔父がアトリエで裸婦像つくる汗かきながら (池袋モンパルナスに夜が来た/学生、無頼漢、芸術家が街に出る彼女のために、神経をつかへ/あまり太くもなく、細くもないありあはせの神経を―。/池袋モンパルナスに夜が来た 小熊秀雄) 西武線踏み切りの音路地裏の隅の端に我は住みけり ひたすらに山手通りを歩きたる肌寒き日に雨に打たれて