暁の消防士 | SOUL OF MINERVA

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タイトルのわりにはゆる~いページ

※小説ふう


寝入ってから、どれくらい経ったかはわからないけど、

寝ながらに、何かの音が聞こえる。

シェアメイトが「うるさぁ〜!」と言いながら物音をさせだした。起きたようだ。
音の出どころを探しているらしい。

その物音で目が覚めた私の耳に聞こえるのは、ピーーー!キーーーン!と、なんの音か分からないけれど、とてつもなく不快でうるさい音。

私は寝ぼけながら、あんたの腕時計のアラームでも鳴ってんじゃないの?!とキレ気味に言い放ってみたものの違った。

渋々ベットから這い出てキッチンの方へ行くと、ピーーー!キーーーン!の音量が増している。
どこから鳴っているのか分からない。リビングの方から聞こえる様な気もする。

各部屋に設置が義務付けられた火災警報機か?
なんとなく、そこから聞こえる気がするけど……。

リビングの火災警報機の紐を恐る恐る引いてみた。
「正常に作動しています」
と機械の音声が言っただけで、これではないようだ。


もう一度キッチンの方へ行って見ると、ブレーカーや冷蔵庫のあたりが特にうるさい気がする。

そこで、初めて時計を見たら朝4時。

こんな大きな音をさせていては、上階に聞こえるのでは。とかなり心配しつつも、今は音の出どころを探すのが先だと寝ぼけながら思った。

キッチンの、火災警報機の紐も引いてみる。さっきと同じ「正常に作動しています」の返事。

ブレーカーを落としてみたが、相変わらず音は鳴り続けるばかりだ。

離れたトイレや別の部屋に行って戸を締め切ると音は小さくなるという事を発見。やはり出どころはキッチンの様である。

しかし、どこから聞こえるのか?

ピーーー!ともキーーーン!とも表現出来る凄いこの音の不快感と言ったら半端無く、探すために部屋をウロウロしている間に、

不快な音質とうるささとに頭痛と吐き気が。

シェアメイトとも散々探したが、もうどうにも見つけられない。

不快な音に我慢できず、夜間対応の管理会社へ電話相談。状況を説明。

電話で音を聞いてもらう為、携帯をスピーカーモードにしたが先方には聞こえないらしい。

と、いう事は低周波音か?!

管理会社には
「何か電池を入れている物を探してください」

と、言われたがこんな不快な音を発する電池式の何かに心当たりが無い。

電話で話している間も、頭痛と吐き気は増して行くけれど、管理会社は分からない。としか言わない。
これ以上話しても無駄だと思い電話を切った。


もう、頭痛とうるささが限界。
毛布に包まり、家の外へと出た。


明け方の静寂が私を包む……不快な音からは解き放たれたけれど、耳鳴りが止まらない。

外の心地よさに、しばらく浸っていた。

しかし、このままずっとこうしている訳にもいかない。そうだ!消防署の一般回線へ電話相談してみよう。

今までの流れに加え
ピーーー!キーーーン!という低周波音のような音にやられ、寝ることが出来ない。頭痛もするし気持ち悪くなってきた。私以外の同居人にも聞こえるので、私1人の耳鳴りの類いではない。
、と説明。


消防署の人はこれから人を向かわせます。と言ってくれた。これで助かる!

10分くらいで来てくれるとの事。その間もうるさすぎて家には入れないので、毛布に包まり外で待った。

4月とは言え、明け方はかなり寒く待ち遠しい。

見えた!消防士3人で来てくれた!
早速キッチンに案内し、状況を改めて説明。

かなり真剣な顔つきで耳を傾け、冷蔵庫を開けたり閉めたりしながら、

「中ではないな」と。

すると、1人の消防士が

「これじゃないですか?」

手に取ったそれは…………



























キッチンタイマー!









息を飲み驚く私。
笑いを噛み殺し切れない消防士3人。


キッチンタイマーの第1発見者の消防士は、笑いを噛み殺し切れないまま
「クックックッ!良かったですね、これでゆっくり寝れますね」




暁、消防士3人は笑いながら帰って行った。



おわり



後書き

恥ずかしいーーーーーーーーーーーにもほどがある。低周波音(笑)ただのピーー!じゃん。
しかも、壊れて久しく3-4年は使われず電池が入ったままマグネットとして冷蔵庫に張り付いていのですっかり存在を忘れていました。

さらに、キッチンタイマー特有の、ピピーピピー
じゃなくて、エンドレスでピーーーーーー!


思いもよらなかった!


消防士が来るまで、シェアメイト1人は呑気に漫画読んでいて、小僧ともう1人は全く起きないという鈍さ(笑)


そして、私の息を飲む驚きの声に起きていたシェアメイトは
「恥ずかしくて部屋から出ていかれんかった」
お陰で私1人が晒し者(笑)

消防士は漫画のセリフのまんま、クックックッ(こんな漫画みたいに笑う人と場面初めて見た)と噛み殺し切れない笑いのままも、真面目に出どころを確認!みたいに無線で本部に連絡してるし。


年齢や、電話番号など改めて聞かれ
「まさか、40歳目前ボケ女性の症例として教科書とか載るの?」

と大真面目に心配してしまいましたが、案件として必要なだけらしいです。

「119番に電話しなくて良かったです〜」と言ったら
「もし119番なら消防車10台くらい来ちゃいましたよ」と言われヒェ〜!


今の家に越して来てから
警察2回(変質者侵入騒ぎ)
救急車1回(シェアメイトの異常な動悸息切れ、血圧180事件)

そして今回の消防士さん

迷惑の多い家として、ブラックリスト入りしていないだろうか……


最後に犯人を晒しておきます
こいつだ!
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