田なかの車海老(東京都八王子市)
軍艦から皿にこぼれ落ちるウニ、いくらが印象的な札幌の寿司も豪華で大好きだけれど、繊細な細工がされた江戸前の寿司も大好き。
江戸前の寿司は海老を茹でる。
札幌の人はこれに驚き、やっぱり寿司は北海道が一番美味いと言う。
果たしてそうだろうか?
大好きな八王子の田なかで車海老を喰らう。
江戸前の仕事を施された車海老は橙色の縞模様を背負い、黒色の寿司下駄の上で光り輝いていた。
思わずすぐに手が伸びる。
ヅケに濡れる背中、それをパクっと口に運ぶ。
美味い。
噛み締めると気持ち良い歯ごたえ、そしてほろほろとほどけるシャリ。
車海老の甘味がふわっと口一杯に広がる。
足の速い車海老を美しく変貌させ、生よりも美味しくする江戸前の技巧。
計算し尽くされた仕事に頭が下がる。
いつか札幌の仲間と一緒に田なかの寿司を喰らいたい。
きっと江戸前の仕事に惚れるはず。
約束の携帯ケースを大将の袖の下へ。
子供のように喜ぶ大将を見て、こちらまで嬉しくなった。
この日はまず、なごりのフグ皮から始まって旬のシャコを摘み、ムラサキウニ、バフンウニを食べ比べ、のどぐろの塩焼きを喰らい、アワビに舌鼓を打った。
そして江戸前寿司フルコースヘ。
田なかはシャリが小さいので有り難い。
その分たくさんのネタを堪能できる。
生の白えびと車海老の食べ比べも秀逸だった。
寿司の前あれだけ喰らったのにペロッと15貫いただいた。
札幌の寿司は球威のある速いストレートでグイグイ押す若手のピッチャーのよう。
それに対して江戸前寿司は緩急を重視し、正確なコントロールと変化球でバッターを翻弄するベテランピッチャーのよう。
どちらにも魅了され、毎回見事に打ち取られてしまう。
ごちそうさまでした。
サンキュー。。。





