兵庫の旅3日目。
さすが水産会社が持っている旅館だ。朝から烏賊の刺身とカレイの干物つきの朝食で、エネルギー・チャージ、今日もさっさと宿を出る。
目指すは『玄武洞公園』、国指定の天然記念物らしい。
開園と同時に登り、不思議な六角柱の世界を堪能する。毎日どこかに登っている気がするが、みな元気、それなりに健脚だ。
鉱物好き美猫姫につき合って、『玄武洞ミュージアム』にも入った。小さな博物館だが、見どころが多く楽しめた。
「昼はどうするつもりだ?」
「今日は蕎麦を予定しているよ」
玄武洞から車で30分ほど、出石の町を目指す。
出石は古い町並みが残る、「丹波の小京都」だ。江戸時代からつづく芝居小屋や時計塔「辰鼓楼」など見どころも多い。郊外には沢庵和尚の寺も。
しかしながら、一番有名なものは出石そばだ。街中に蕎麦屋がある。どちらを見ても蕎麦屋が目に入らない風景はない。
出石そばは「皿そば」とも呼ばれる。わんこそばのように少量の蕎麦が小皿に盛られて出てくる郷土料理だ。
sei-sei家は、『近又(きんまた)』という老舗の蕎麦屋で「皿そば」に挑戦することにした。
メニューは「皿そば」のみ。一応5皿で一人前らしい。
とりあえず、4人で25皿から始めてみた。食べた皿は、各自自分の近くに積み上げていく。
20皿食べると、記念の木札を作ってもらえるらしい。30皿食べると番付に名が乗るとか? その後も、いろいろな特典がついていく。
旅館の朝食を食べ過ぎた夫NGは、9皿で終了。sei-seiは10皿で止めておいた。
ぶんぶん丸は22皿。
「まだ食べられますよ? でも終わりです」
常に満腹まで食べることのないぶんぶん丸は、余力を残して打ち止め。
美猫姫は20皿だった。
店主が、記念の木札を持って席に来てくれた。日時や名前、食べた枚数を記入してくれるようだ。
ところが……。
「もしかして、こっちの子は女の子だった?」
店主のおじさま、小声で問うてきた。
「そうですけど?」
「ごめんなさい。気づかなくて。取り換えてくる」
女性は20皿から、番付に名が乗るらしい。猫さん、20皿だったからねぇ~。立派な札もいただいた。
しかしながら……。
「満腹っていう訳じゃないけど、蕎麦に飽きた。ソフトクリームなら食べられるよ?」
「……」
食後の腹ごなしも兼ねて、店を出て街の散策に。
『出石史料館』にも入ってみた。
街の本屋のガラス扉には、『センゴク』の絵と宮下英樹のサインが飾られていた。
「そろそろ帰ろうか?」
帰路に就く。
途中、『天橋立』にも寄ってみたけれど、みな観光疲れで、もうどうでもいい気分!?