庭の雑草を抜いた。

主にどくだみだ。sei-sei、どくだみは嫌いではないが、どちらかと云えば、あの白い花は好きなのだが、あまりに伸びすぎて、他の植物に日が当たらなくなってしまったのである。

野放図に暴れているヘデラの整理もした。

 

1時間ほど作業をしてから気がついた。

 

sei-sei、マスクをしていなかった。

sei-sei、年がら年中花粉症なのだ。症状が出ないのは、真夏と真冬のみ。花粉の種類によって、出る症状は異なるが、最近はイネ科の植物に悩まされている。

 

頭痛と鼻水とくしゃみが止まらなくなった。

薬は飲んでいるが、もはや何の役にも立っていない。

 

「もうやめよう」

 

部屋に入ると、美猫姫がいた。

「どくだみ……」

「好きだよ!」

「まだ、臭いも何にも云ってないし。お母さん、過剰反応過ぎじゃね?」

 

「このにおい、健康になれそうな気がしない? 猫さんも好きでしょ?」

 

返事はなかった。