ぶんぶん丸は、いつも「大丈夫」と云う。
本当に「大丈夫」なのか、ときどき心配になる。
今日も……。
「ぶんぶん、お風呂にお湯張るの忘れてるよ~」
階下から2階のファミリールームに向かって叫ぶ。
sei-sei家では、夕食後に風呂の湯を入れるのは、ぶんぶん丸の仕事なのである。
ぶんぶん丸はその後、一番風呂に入ることが多い。
「は~い」
返事をして降りてくると、そのまま風呂場に入っていった。そして給湯スイッチを入れると上がっていったが、5分もするとまた降りてきた。
小脇に着替えを抱えている。
「お風呂に入るの? お湯、入りきってないよ」
「大丈夫!」
「でも、まだ、お湯、少ないから」
「大丈夫! 増えますから!!」
……。
確かに増えるけど、風邪、ひかんといてよ~。