ミネ歯科医院 歯のこと、口のこと、皆で一緒に勉強しようよ。 -20ページ目

食べる為、噛むためには筋肉が動くことが必要だということは、もうわかったと思います。

何らかの障害で筋肉の動きが悪くなってしまった方もたくさんいらっしゃいます。


今日いらした患者さんは、15年前に聴覚の腫瘍の手術の時に、左の顔面神経を損傷してしまった方でした。

顔面神経麻痺は、表情筋と言われる筋肉の麻痺です。

口角を上げることも、口をとがらすこともできなくなっていました。

入れ歯が合わなくて、痛くて食べれなかったそうです。

食欲はあるのに、食べれない。そんな、悩みをずーと抱えていらっしゃたようです。

そして、顔面神経麻痺の為、噛む時にお顔が曲がってしまうことを、とても気にしていらしゃいました。


本当に、勇気を出して、いらっしゃったようです。

入っていた下の入れ歯は、小さく顎の上に乗っているだけの入れ歯でした。

そして、噛みあわせが低いために、噛むとお顔が、曲ってしまいます。

ご本人も、顔が、右にずれるような気がするとおっしゃっていました。

もちろん、よく噛めるのは、麻痺がない右側です。

筋肉が、右側に引かれてしまいます。


細腕じゃない??女歯科医の繁盛記


とりあえず、修理をすることにしました。

まず、入れ歯の形を、少し大きくして、顎にあわせます。

ずいぶん噛みあわせが、低かったので、噛み合わせを高くしました。

修理していくほどに、「顎が戻ってきたような気がするわ。」と、不思議な様子でした。

今まで、右にずれて噛んでいましたから、逆にどこでも噛めるように噛み合わせを調整しました。


お顔の、曲りも少し良くなりました。


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鏡を見て、「先生、きれいにしていただいて、ありがとうございます。」と喜んでいただきました。

奥歯でぎゅっつと噛んでも痛くなかったようで、「家に早く帰って、なんか食べてみたい。」と言うことばも、出てきました。

「じゃあ、なんか食べてみましょうか?」と、おせんべいをお持ちしました。

「噛める!痛くない!右でも、左でも噛めるわ。(^∇^)」

おせんべいは、パリンと割れるので、わりと、噛めるのです。

お食事は、少し使ってみて下さいとお願いしました。


新しく入れ歯も作ることにしましたが、少し調節しながら、噛めるところを、この修理した入れ歯で探っていきたいと思います。

筋肉のバランスが、悪いので、どのように動いていくのか、様子を見なければなりません。


帰り際、

「本当に、来てよかった。」と、少し、涙ぐんでいらっしゃいました。

困っていても、どうすればいいのか、悩んでいらしたのだと思います。

食べられない訳ではなかったのです。なんとか食べていらしたのだと思うのです。



食べられること、大切です。でも、改めて、噛めることも大切だということを、、感じました。


頑張ります。(o^-')b  






食べる為には、顔の、あらゆる筋肉が、関係していることを、前回お話しました。

入れ歯を入れても、筋肉が、ちゃんと動くようにしなければなりません。


お口の中に異物が、入るわけです。

それでも、噛めたり、話したりすることができる入れ歯は、どんな入れ歯なのでしょうか?


それは、筋肉の動きを、じゃましない入れ歯なのです。

じゃましないだけでなく、顎と筋肉の間に、ピタッと合う入れ歯で、なくてはいけないのです。

高齢者の場合は、骨がなくなってしまっています。筋肉が入れ歯をサポートすることもあります。

このような、入れ歯を、スペースデンチャーと言われています。


歯を仮に並べた時に、噛みあわせ、歯の並び方、発音、そして、この、筋肉との関係を調べます。

噛みあわせは、前回咬合床で、とりました。

でも、実は、少しずれてとれていたのです。

今まで長い間、合わない入れ歯で、噛んでいたお義母様は、入れ歯も低かったので少し下顎を前に出して噛んでいたのです。筋肉も今までの動きをしてしまったのかもしれません。

筋肉がきちんと動くためにも、噛むためにも、噛みあわせは重要です。

ちょっと、顎が奥に入りました。


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もう一度噛み合わせを取り直し、再度技工士さんに配列をお願いしました。

今回並べ直したのもがこれです。


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お口の中に入れて、噛みあわせ、歯の並び方を見ます。


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噛みあわせが、安定したところで、お顔とのバランスや、前歯の感じなどをみていきます。

噛みあわせが、的確にとれていると、お顔のバランスもよくなります。

前歯は、発音にも関係してきます。さ行の発音で、チェックしていきます。

ここから、筋肉のスペースの調整をします。

お口を、開けてもらったり、唇をとがらせてもらったり、舌を動かしてもらって、邪魔になるところを、細かく調整していきます。

自由にお口が動くことが、大切ですから、しっかり動かしてくださいね。

そして、最終的に、もう一度顎の形を取り直します。



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これは、上下の入れ歯が、お口に入っていたままの状態で取り出したのもです。

こんなに大きなものがお口の中に入って大丈夫?と思うでしょうが、

これが、噛める、そして、邪魔にならない入れ歯なのです。


歯を、仮に並べた時は、ほとんど同じように入れ歯は出来てきますから、お口の中の感じをきちんと先生に伝えてくださいね。(o^-')b

次回入れ歯が出来てきます。

一週間後、またアップします。






私たちが、食物を口の中に入れてから、飲み込むまで、顔のすべての筋肉を使わなければなりません。

歯があっても、筋肉の運動がなければ、食べることは、出来ないのです。


まず、口をあける為には、どこの筋肉をつかうでしょう?

顎の下の方の筋肉(喉までいかない)が動くのがわかりますか?

4種類の筋肉が、下顎を引っ張るのです。

大きく口をあけてみると、今度は、口の周りの筋肉が動きます。

口の周りにも、それぞれの動きにあった、筋肉がいくつもあります。

口をとがらせる筋肉、口をぎゅうっと結ぶ筋肉、上唇を動かす筋肉、口角を上げる筋肉、えくぼを作る筋肉、口角を下げる筋肉、下唇を出す筋肉、口をへの字に曲げる筋肉、吸う為の筋肉、全部そのパーツにあった筋肉があるのです。


熱いものを飲むときなどは、これらの口腔周囲筋は、大活躍です。


お口の中に、物が入ると、今度は舌が活躍します。

舌で、物を、歯の上に持っていきます。

右や、左、前や奥と舌全体が動くことで、能率よく噛むことができるのです。

そこから、歯で噛むことが、始まります。

噛む為の筋肉は、先ほどの、お口をあける筋肉のほかに、下顎を、横や、前に動かす筋肉、下顎を閉じる筋肉が

動き始めます。

こめかみを触って噛むと、動くのがわかりますよね?

側頭筋といいますが、頭に付いている筋肉です。噛むことが、脳に良いといわれているゆえんです。

ほっぺたの筋肉も噛むための筋肉です。片方だけで噛んでいると、顔が、変形してしまうのは、この筋肉の発達が、関係しています。


充分噛んだ食物を今度は飲み込みます。

これも、いろいろな筋肉が働きます。

特に、舌は、物を、舌の真ん中にあつめて、喉に送り込むという一瞬の作業をするのです。


私たちが、普段なにげなくしている、食べるという行為は、なんとも、神秘的なことなのです。

きちんと噛めることが、筋肉のトレーニングになると、前にも書きましたが、そうおもいませんか?


ひとたび、噛むことができなくなると、筋肉は、違った動きをしてきます。

無理な動きをせざるをえないのです。それでも、なんとか噛んでいるのです。

正常な動きすら、忘れてしまうこともあります。


きちんと、噛めること、本当にたいせつなのです。(o^-')b







顎の形を再現することが、大切なのは前回お話しました。

模型になった顎の形は、粘膜の柔らかさまでは、再現できません。

ここが、難しいところです。

私たちは、その、柔らかさを、患者さんのお口の中を触ることによって、知ることができます。

軟らかいところは、弾力があります。

押すことによって、変形もします。

形をとっても変形をおこしていることもあるわけです。

この、柔らかさや、ほっぺたの伸び具合は、入れ歯を作る時に、重要な情報になるのです。


これらのいろいろな、情報を、含めた上で、入れ歯の外形を作ります。

これから完成するであろう入れ歯の形に近づけること。これが重要になってきます。


今までの入れ歯が、適正な位置で噛めていなかった場合、患者さんは、噛む位置が分からなくなってしまってます。どのように、適正な位置を決めていけばよいのでしょう。

この、位置を決める方法もたくさんあります。

それこそ、入れ歯の大家が、10人いれば、10通りあるといってもいいくらいです。


でも、ある程度の基準を満たしているのが原則ですが、患者さんの感覚って、大事ですよね。


歯のあるかたが、そっと、唇を合わせた時、歯は、少し浮いていますよね。

そして、ぎゅっと力をいれると、歯が、噛みあいますよね。

この位置を、入れ歯でも再現していくのが、基本です。


そのためには、噛み合わせをとるための咬合床が、大切です。

唇の当たり具合、ほっぺたの、膨らみ具合、もちろん、外形の形、すべてが、心地よくなければ、うまくいくません。どこか、痛かったりすると、うまく噛めなかったりします。

今回の咬合床です。


細腕じゃない??女歯科医の繁盛記

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これを、修正しながら、合わせていきます。


噛み合わせをとる時が、とても重要です。

私たちは、変な力が入ってないか、顎が前に出ていないか、ぎゅっと噛みすぎていないか、両側でバランスよく噛めているか、全体の顔のバランスはどうかをみていきます。

患者さんもお口の周りの筋肉の感覚を呼び起こしてください。

ちょっと澄ました顔。これが、唇をあわせた位置です。

ここから、奥歯できゅっと噛む位置です。


これは、入れ歯の方だけではありません。

歯のあるかたでも、奥の被せた冠が低かったりすると、かなり、ぎゅうーっと噛まないと歯が噛みあわないこともあります。顎がずれないと噛めないこともあります。一度、試してみてください。


このようにして、噛み合わせをとりました。まずは、高さですね。

そして、総入れ歯の方は、歯の並び方も新しく作らなければなりません。

もちろん基準は、あります。


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鼻と、耳をつなげた線が、カンペル平面といいます。

ここに、上の歯の並びを平行にするのが、基準です。

平行ではないですよね。

お義母様は、少し、反対咬合の、骨格でしたので、あえて、平面を修正しています。

顎の形は、人それぞれです。

顎の回転のしかたもまた、人それぞれです。

歯をならべてもう一度みることにしました。


次回は、歯をならべて一度入れていただく配列試適についてお話します。

この、配列試適もとても重要です。







お義母様の入れ歯を、新しく作ることにしました。

まず、お口の形をとります。


この、形をとることが、とても重要です。

入れ歯の大家が、何人もいらしゃるので、私が、こんなところで、言うのも、何ですが、きちんとした、形が取れなければ、いい入れ歯は、誰が作っても出来ないと思います。

患者さんにとっては、何回も大きなトレーで、形をとられるのは、大変ですよね。

でも、ここは、大変申し訳ありませんが、ご協力をお願いします。



入れ歯の形をとるのは、本当に難しいのです。私でも1回でうまくとることができない時もあります。

「もう一度とらせて下さい。」と言われる方が、患者さんも安心なのかもしれないと思うくらいです。

お義母様の顎の形がこれです。

細腕じゃない??女歯科医の繁盛記
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黒い鉛筆で周りに書いた線のところが、入れ歯の形のラインです。

形は、顎の骨の形をとるのが今は主流になってきています。

やはり、かなり、骨が吸収しています。

上顎は、歯茎もブヨブヨしていました。(フラビーといいます。)

斜線の部分が、フラビーのところです。



お義母様の、前の入れ歯はというと


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このように、骨の上に、乗っている感じの、小さな入れ歯です。

入れ歯を、維持するところが、どこにもないので、入れてもすぐ、落ちてきます。

安定剤を使っても、骨に入れ歯があたってしまって、痛いわけです。



形が大切だということが、わかりますよね。

難しい顎のかたちもあります。

何回かに分けて取らせていただくこともあります。

ご協力をお願いします。m(_ _ )m


次回は、噛みあわせの取り方を説明します。