Nさんは、三人のお子さんを育てきましたが、夫に先立たれ現在は独身でした。
彼女の母親像も、「肝っ玉母さん」であり、その歌詞の通り、
「そそっかしくて、お人好し、ちっとも美人じゃないけど、ほがらかな日本のお母さん」を生きていました。
Nさんは、話してくれました。
「一番太っていたのは、娘が学校を卒業する頃で、72kgまで太りました。
『このままではヤバイ!』と思いながらも、
『でも、私は日本の母だから!』という想いもあったんです。
そこから、ダイエットにトライして、やせることにも成功しました。
しかし、以前付き合っていた彼に、痩せてから会ったところ、何か素っ気ない様子だったんです!
『ああ、この人は太っていた私が好きだったんだな!』と思いました。」
Nさんは、よく見ると、本人が言うほど、太っているようには見えませんでした。
しかし、来ている服が、ウエストがしまっていないダボッとしたもので、それが太っているような印象を自分にも他人にも与えているようでした。
これも、彼女の潜在意識が望んでいるものなのでしょう。
実際、脂肪が付いている場所を聞いてみたところ、太もものあたりでした。
太ももの肉付きは、体全体からするとアンバランスな印象を与えるものでした。
そこで、「なぜ、太ももだけに脂肪が集中しているのか?」そのメッセージを探っていきました。
過去の記憶をたどっていくうちに、Nさんは、思い出しました。
「そういえば、亡くなった夫が、生前 よく私の太ももに抱きついて、
『この太ももが好きなんだよね!』って言ってくれたんです。」
Nさんの、亡くなったご主人に関するセッションは、これまでも何度か扱ってきていました。
最初の頃は、家庭に閉じこもり、母親としての役割だけを生きていたNさんが、自分の幸せの為に生きることを決め、その度に輝きを取り戻ていました。
今回のセッションの中で、亡くなったご主人への想いが、こうして、「太ももだけは、脂肪を残す」という形で現れていたことに、人間の想いのなせる技の凄さを感じました。
Nさんは、これまでも お姉ちゃんとして、妻として、母として… といった役割を生きていました。
いつも他人の期待に応えようとし、「間違ってはいけない!」「相手が期待する模範解答を言えなくてはいけない!」「認められなければいけない」
という脅迫的な思いに支配されていました。この為、いつも無理して明るく振舞ったり、笑顔を見せようとしていましたが、内側には寂しさや自信のなさがあったのでした。
しかし、どんなに完璧な役割を演じることができ、相手が喜んでくれたとしても、それは役割を演じたことで認められたのであって、
そうすればするほど、「本当の自分ではダメなんだ」という思いを強化していたのだということに気づきました。
そして、「もう人の期待に応える人生でなく、自分自身の人生を生きよう!」と決めました。
そして、太ももをさすりながら、亡くなったご主人への想いを、愛と感謝を持って手放していきました。
過去を完結させ、今を、そして自分自身を生きることを決めたとき、Nさんの目が大きく見開かれ、輝き出しました。
「ああ、なんか部屋が明るくなりました!」
そう、このことは「人相科学」でも明らかにされていることですが、感情を閉ざしていると、目の虹彩が閉じ、外側の光を制限するだけでなく、内側の光(感情)も表現することができなくなってしまうのです。
そして、何を見ても、キラキラ輝いて、色鮮やかに見えるようになったのです。
Nさんは、古いダボダボの服を捨てることを決めました。
そして、もっと、体の線がわかり、美しく色鮮やかなファッションに変えることを決めたのです!
Nさんは、最初に来た時とは打って変わり、
背筋が伸び、明るく 凛とした、大人の女性に生まれ変わっていました。

