AIはこれから伸びると誰もが思っているはずなのに、なぜ市場の一部ではこういった警戒のサインが現れるのでしょうか?

実はこの疑に世界最大級のヘッジファウンドを作った投資家レイ・ダリオ氏が1つの答えを出しています。

ダリオ氏がAIバブルについて語った内容を軸にしながら実際に彼の言う通りなことが市場で起きているのか?

AI関連企業といえば Google、Amazon、Mata、Microsoft、NVIDIAといった企業で、皆さんがおそらく積み立て投資をしているS&P500、全世界株式、NASDAQ100の指数の大半を占める存在になりますので、レイ・ダリオ氏が何を警告しているのかを理解するためにもご覧ください。

まずAIバブルと世界秩序のAIバブル崩壊の兆候はあるのか?

レイ・ダリオ氏が対談をしている動画があったんですけれど、現在AIバブルが起きていてそれが世界経済崩壊につがる兆項は見えているのかという質問に対して典型的なバブルの兆項が見られていると答えています。

AI関連資産の価格が大きく上昇して、経験の浅い投資家や借金レバレッジを使った投資家まで大量に参入している。

これは典型的なバブルの兆項であると。

AIは本物の革命だけれども、AI株の価格はバブルになり得ると言っていて、彼はドットコム企業だったりとか、1920年代の電気、自動車産業を例にあげています。

インターネットは本物の革命だった。

自動車も電気も社会を根本から変えました。

でも技術が社会を変えることと、投資家がその会社の株を適正な価格で購入していることとは全く別の話ということです。

では、バブルはどうやって崩壊するのか?

ダリオ氏によればきっかけは株価が高すぎるからではなくて、現金が足りなくなるからです。

金利が上がるとか借金の返済期限が来る。

増税がある、戦争が起きる。

こういった要因で投資家が現金を必要とすると資産を売り始めます。

特に借金をして投資をしている、つまりレバレッジをかけている投資家が多いほど、下落が始まった時に強制的な売却が連鎖します。

株式市場の暴落はそこでは終わりません。

消費が減少する。

すると企業の収益も悪化する。

企業の収益が悪化すると解雇が増えるという形で実態経済にも発していきます。

正直この時点では、よくある警告だなと思う方もいらっしゃるかもしれません。

でもこの理論が示す現金不足の兆候はすでにAI企業に見られている。

現金不足の兆項が実は今のAI市場です。

見え始めている。

ここからは実際のデータというかニュースを見ていきたいと思います。

今回の問題は株価ではなくて借金で、まず整理をしておきたいのが1999年のITバブル崩壊と今回の決定的な違いです。

1999年の問題は株価そのものが異常に高くなっていたということでした。

でも2026年のAIブームでは少し違う場所に問題が出てきます。

それが借金ですね。

Amazon,Microsoft、Googleの親会社Alphabet、Meta、Oracleなど巨大テック企業はAIデータセンターの投資を加速させるために社債による資金調達を急速に増やしていきます。

バンク・オブ・アメリカの集計によると、データセンター事業者なども含めたAI関連の債権発行額が2026年7月点で約2700億ドルで、これが2025年通年の約1360億ドルと比べて、すにほぼ2倍の規模です。

これらの企業は経営不振だから借金をするというわけではないんですよね。

売上が過去最高。利益も大きい。

それでも借金しているのはAIへの投資額があまりにも巨大だからなんですね。

データセンター、GPU、電力設備、発電所、土地、建設、これら全てを世界中の企業が奪い合っています。

つまりAI競争は同時に資金調達競争にもなっています。

あと見ておきたいCDS(保険料)の高騰のがCDS、クレジットデフォルトスヲップスという指標になります。

CDSは簡単に言うと企業が借金を返せなくなることに備える保険の保険料で、Oracle、SpaceX、NVIDIA、Amazon、Meta、Alphabetといった企業のCDSが揃って上昇しています。

この保険料が上がっているということは、市場はこの会社の借金のリスクが、以前よりも高くなったと考え始めていることを意味しています。

つまり投資家の心理的には今までAIだから買っておこうというちょっと落観視したものから、もし失敗したら自分をどう守るかに変わりつつあるということですね。

社債市場で起きている地味だけど重要な変化としてもう少し具体的な例もあるんですけれど、Amazonが250ドルの社債を発行しました。

簡単に言うと、利子を払うのでお金を貸してくださいということですね。

でも今回は注文が期待よりも弱くて、というのはお金を貸したいという人が期待よりも少なくて、より高い金利を払わないと投資家が集まらなかったと報じられています。

つまり借金をするコスト自体が上がってきているということです。

ブラックロックが関わったMeta向けのテキサス巨大データセンター向けの資金調達でも約125億ドルの債権が発行されましたが、投資家の需要が弱くて、利回りは7.53%というかなり高い水準になりました。

そしてこれが1番驚いた方も多いかなと思うんですが、Googleが上場以来初めてフリーキャッシュフローの赤字を計上。

約59億ドルのマイナスです。

Googleは広告だったりYouTubeで今も非常に儲かっています。

それでもAIへの投資があまりにも大きいので、手元に残る現金がマイナスになってしまったと。

これはかなり象徴的な出来事かなと思います。

次に生成AIは使われれば使われるほどコストもかかるという構造問題があります。

AIの利用者数は今も急増しているんですよね。

それ自体はいいニュースのはずなんですが、普通のソフトウェアと生成AIには決定的な違いがあります。

普通のソフトウェアは利用者が増えてもコストがあまり増えないんですよね。

一方で生成AIは質問されるたびに計算コストが発生します。

GPUを動かして電力を使う。

利用者が増えれば増えるほどコストも比例して増えていく。

つまりAIがたくさん使われていることと、AI企業が儲かっているということは必ずしもイコールではないという問題があるんですね。

さらにDeepSeekやKimiのような中国発の低価格AIの登場によって、安いAIでも十分使えるじゃないかという認識が広がり始めています。

そうなってくると現在アメリカで建設中の巨大データセンターが、将来的に過剰設備になってしまうリスクも出てきているということですね。

もう1つ市場関係者が気にしているのは会計の透明性、つまり本当の借金がどのぐらいあるのかがちょっと分かりにくくなっているという点も上げられます。

例えばMetaがブラックロックのような投資会社と共同でデータセンターを建設して、その借金を別会社が抱える仕組みを使っています。

これ自体は違法ではなくて、企業では一般的に使われている手法ではあるんですけれども、借金の一部を別会社に移しているので、Metaの決算書だけでは本当の借金が見えにくいという指摘もあります。

ここまでの内容をもう1度ダリオの理論に当てはめてみましょう。

ダリオ氏が金利上昇、債務返済、増税、戦争などによって投資家が現金を必要とすると資産売却が始まる。

これがきっかけになると言っていますけれども、今起きているのはまさにその入り口かもしれませんねと思われるわけでね。

AIの企業が巨大な借金をして設備投資をしている。

その借金のコスト、保険料だったりとか社債の利回りが上がり始めている。

その一方でAIの利用が増えてもコストも比例して増えるので簡単に儲けにつがらない。

中国の安価なAIによって、価格競争のリスクも出ているという条件が揃っているので、もし何らかのきっかけ、例えば金利がさらに上がるとか、景気が悪化するというようなことが起こったら、ダリオ氏が言う現金不足による資産売却の連鎖が始まる可能性があります。

ダリオ氏はもう1つ重要な指摘をしていますね。

AIとかロボットが長期的には知的労働、肉体労働の両方を代替していきます。

さらにもしAIバブルが崩壊すれば、企業は成長投資をやめざるを得ないで人員削減にも動きます。

つまり技術による失業と不教による失業が同時に起きてしまう危険性があると言っています。

これは今日見てきた借金とAIのコストの構造の問題が単なる株価の話にとまらずに、雇用にまでしうるということになります。

ここまで聞くと少し不安になった方もいるかもしれませんが、ダリオ氏がこの対談で伝えてる結論がAI株を全部売れとか暴落がすぐ来るということではないんですよね。

最終的に彼が進めているのは、とても基本的なことで生活防衛資金は置いておいて、それでは投資しない。

つまり余剰資金のみで投資をすること。

あと未来は誰にも分からないので、1つにかけるのではなくて、やっぱり分散をしながら変化に対応して投資をすること。

収入がまだ少ない段階では自分のスキルに投資をすることということです。

職業においても何を選ぶのがいいかということは無意味で、少し前まで安全とされていたプログラミングでさえ生成AIによって急激に変化をしていると。

だからこそ特定の職業に依存するのではなくて、AIを活用する力、継続的に学ぶ力、自分の価値を別の業界にも移せる力を身につけることが大事だとダリオ氏は述べています。

ダリオ氏の言葉を借りると最も成功するのは最も賢い人でも最も努力する人でもなく、最も変化に対応できる人であるということです。